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開設 2015/07/12
更新 2021/11/30
古物商は偽物をつかまされないように大変な努力をする。つまり欺されない一人前の目利きになることが商売のコツである。その能力は生まれつきもあるかも知れないが、ようするに今まで如何に欺されたかという体験が大きくものを言う。最初から旨く商売が行くものではない。嫌というほどの欺し（先輩たちに）にあって大きく成長する。そしてもう一つ重要なことは、たくさんの優れた〝本物”を直接見て、手に取り、よく知り、よく感じておくという点である。本物の良さを知って、その品物からよい印象を受け、よくこの勉強をしておくことが肝心のようである。つまり相手の品物に教えてもらうという謙虚な気持の勉強と、品物からくる雰囲気を受けとることが大切である。これは古物商の方から教えられたことである。
この後段の部分は決定的である。なぜなら本物をじかに知らないと、いざというときに確信が沸かないからである。その体験をしていると、何があっても本物がどれかが瞬時に判るようになる。相手の物から受ける感じで、直ぐに見分けてしまうのである。本物の扱い方、本物はどのようにして現れるという体験は必須である。
これから後は、自分が逆にお客さんを欺すかどうかは、その古物商の生き方そのものである。それ以上は誰も干渉はしない。だから欺して如何に儲けるのか、あくどく商売をすることも出来るし、正直な生き方を通すこともできる。本物を知ったら後は自由に出来るのである。
ところで私達の生き方の基本は、これとよく似ている。つまり本物を知らないと、常に偽物をつかまされるということである。これは知力、記憶のゲーム、心理戦の乱戦にもなるからである。今の私達の金銭をベースにした生活は、正にこれが最適であり、私達の素性によくお似合いの金融システムなのである。如何に欺すかを徹底し、商売を互いに旨く切り抜ける。これに徹した人は沢山いる。が、通常は正直な商売でよい。少し欺して、少し儲ける程度がよいのである。これが普通。本当に正直になると、今の私達の生活法では儲けが無くて、家族も干上がって死んでしまうから。
さて後段の部分であるが、「生き方の本物」とはどのようなものであろう。私達は本物の生き方を知っているのだろうか？ これも古物商と同じように、本当の生き方を知っていると、苦労はないのである。どこかで体験をしていると、目の前で起きている出来事も、価値観もその違いがはっきり判断できる。つまり本物の価値観、考え方が判ると、どこに行っても迷いはないとうことである。
すると、生き方そのものを知るには本物の体験が必要ということになるが、これが問題。地球ではこれを誰しも探すのであるが、どこに本物がしまわれているのか、それすら判らない。道徳、規範といって、聞いた風な言い古されたものは、たくさん身の回りに転がっている。なので大概は、身の回りのこれらで間に合わせようとするのであるが、それ以上となると本物を探すだけで一生かかかる、あるいは今の一生で見つからないのが普通である。そこで自称本物という偽物が、沢山に出回る。誰しも今までそれで、言いくるめられてきたのである。勘違いのままでその一生が終わってしまう。
ではどうするのか？ これ以上は、どうしても私達人間の”転生のカラクリ”を理解できないと、説明が困難になる。あるいは逆に転生が判ると、すんなり理解できることが多いのは事実である。つまり過去において本物の生き方を知っていれば、今生である程度無理なく理解が出来るのであろう。または直ぐには理解できないわけも判る。根掘り葉掘りの質問をしなくても理解が出来る体験ということになる。そして一旦その経験をどこかで（過去世など）身につけていると、本物が何かを今生きているその場で判断できる。つまり古物商と同じなのである。
では何処で本物の体験するかとう話であるが、古物商は広い範囲で自ら失敗を重ね体験するしかない。私達の人生はそれが自由にならないところが辛いのである。たしかにこの地球で探すこともできるかもしれない。人生体験を世界中で行うことも不可能ではない。しかしこの地球では無駄が多くなることは請け合いである。本当の本物はひたすら隠されているからである。無意識、意識的の両方で。
そこで私達は「転生」を旨く利用する方法がある。このチャンスは誰でも等分に与えられている。貧富の差も全くなくそれこそ等分である。そしてよき体験を転生で知ることが出来るなら、この地上ではよりよき判断が可能となる。そうすると地球での迷いは少しずつ無くなるだろう。
この原体験がないと、他の惑星のこと、転生のことも私達は全く理解できない。「そのようなことは絶対にない」と強力に反論し、転生に反感を持つ人が出てくる。身に覚えがないからそうなる。当然である。
ではよき体験のためのよき転生をするにはどうするのか？ これもまた問題。これこそこの地上で各人が解決すべき重大な課題である。誰かが大手をふって手助けするのではなく、大体は個人的な決心の問題になる。大きなジャンプは転生を利用して自ら行うしかない。ここで肝心な点は損得はなしで、誰でも出来る、あの魔法を使うことである。この場合、普通の常識で行うこととし、「神秘」は無くさないと逆効果になることをよく肝に銘じておくこと。神秘を混ぜると元も子もなくなり、転生だけでは少しも進歩しないようである。
つまり根源に戻るのがよい。偽物情報にはくれぐれも注意。勿論これを判断するのは私達自身である。魔法はこのためにある。この魔法とは公明正大であること。自然の法則を使うこと。自分の謙虚さに勇気（確信）をもつこと。ゆめ自分のためにだけに行動しないことである。これが隠してあった私達の秘密であり、究極の箱の中身である。意外に簡単ことになる。
私達は古物商のときと同じように、多くの偽物をつかまされてきた。度重なるだましである。古物商のようにこのだましに少しは賢くなる必要がある。この世は教えられた通りのものごとではないという勉強である。これをしっかり自覚すると、では本物は何かと自分で（これが肝心）質問をし、自力で探すしかなくなる。実際にその極みに自分で立つしかない。偽物はその気になれば沢山見える。では本物はどこに見える？ と自問するのである。そこから秘密がすこしずつ見えてくる。カスはすぐに捨ててしまい、確かなものを少しずつ手にするのである。自立出来る確かな本物を、最後に残すのである。これが私達の当面の目標と思われる。
私達には確かに役目がある。個人は何でも出来るのではなく、生まれながらの役目がある。複数の役目を持っている人もいる。例えば多方面の能力、多芸を持つ人も希にいる。しかし普通は得意分野が少ないものである。趣味もそうである。
仕事はある程度満足が得られないと、続けられない。感動があればなおよろしい。面白くもない仕事はそうは続かないのである。そのうちに止めてしまう。逆に仕事が面白いなら、つらくても大概はそのままつづけることが出来て、そのうちに専門家になるし成れる。社会からも認められ、ひとかどの社会人に成れる。これは仕事の規模や、利益の大小には全く関係がない。
どのような小さな仕事でも、これが各人の生きる役目と思ってそれほどの狂いはない。他人の仕事を羨むのは余りよいことではない。それより、自分で始めた目前の仕事を楽しんで、エキスパートになって、毎日の仕事を進めるのが最もよい方法である。どうしても疑問が出るようであれば、思いっきり仕事を変えるしかない。そして試してみることである。常に転職では困るが、どうしてもなら変えるしかない。そして一旦落ち着いたら、長くつづけることである。でないと使いものにならない。
これが各人の天性であり、役目というものになる。見てくれではない。没頭できる仕事がよい。中には人を口車に乗せるような嘘商売もある。あるいはこれも立派な仕事であろう。あまりえげつないのは褒められたものではないが。ともかく適切な仕事をするならかまわないのである。図に乗って欺し過ぎて相手からクレームが付くようでは失格である。口先が達者で、つい悪乗りし、失礼なことをしてしまうことである。生まれつきペテンの雰囲気を持った者もいる。その気が生まれつき抜けないのである。ペテンが天性のような性格。本人もそれを自覚しているのである。相手を騙したくて仕方のない者。天性の泥棒がいるのと同じである。芸術の域に入っている。つまり名人芸というやつ。
これらの天性はどこから来るのか？ 良くも悪くもも、ちろん本人の過去世から来るのは間違いない。転生で見ると、これは明確な道筋が判るだろう。紛れもない本職だと判ることもあるだろう。はまった仕事というものは本来そうなのである。でないとハマれない。本人もその方が幸せであるし、周りも大変に助かるものである。過去世から性に合わない仕事は、本人にとっても苦痛で大変である。しかしそれでも我慢をして、新しい仕事を成し遂げるなら、それは本人にとって新しい分野を開いたことになり、次の転生でまた生かせるというわけである。そこでその人は人間の幅が少し広くなるというわけ。例えばこれ以上、幅を広くしていくとどうなるのか？ だいたい判る。その人は相当に受け身の出来る人間に、成長するだろうということ。
この点からすると、私達は一気に何かを獲得できるのではなく、この地球の一生で、ある範囲の経験を積むということである。すべてを経験するのではない。ある限られた範囲を経験する。私達であれば「日本人」として、その地域の人間として、その肉体的、人種的な制限の中で、あるいは「その時代」の限られた条件の中で体験する。
このように考えてくると、自分の能力、周りの人の能力がよく見えてくる。一見不思議でもあるが、生まれつきという意味がよく解ってくるのである。同時に自分の特性がどこから来るのかも薄々判るというもの。キチントした能力の理由を皆持っていることが理解できる。ということは各人の役目も皆見えてくることになる。そして当然であるが、誰しも生きる理由、その人の役目までが見えてくるのである。
やたら人を羨んだり、他人に必要以上に自分のことを自慢したりすることが、これで間違っているのがよく解る。私達の各人の能力は自慢や勝ち誇るため、他人を裁くために元々備わっているのではなく、お互い違った能力で、自然の中で互いに助け合うように創られていることが綺麗に理解できる。しかも自然界、全ての生き物は最初からそうなっているし、私達にそのことを日々教えてくれる。
そして仕事は本来、人のためにするのであって、人が認めてくれること、これが何より嬉しいのである。自分の仕事でまわりが喜んでくれること。これが正しい仕事であり、仕事をする態度である。相手に自分を自慢したくなったり、金を欲しがるのが最終目的では決してない。
ところで、日本人は大概、昔からそのように努力し働いてきた。仕事の打算をさほど持たなかったのである。そして世界から日本の製品は認められた。掛け値なしの仕事だからである。最初は世界もなぜ日本で、よい品物が出来るのか不思議であった。しかしその原因が実は働く人間の質の問題に、外国の彼等もだいぶ後になってから少し気付いたのである。すぐには真似が出来ない内容なのである。掛け値なしの仕事は言われて出来るものではない。日本人は生まれつき勝手にそれをやるのである。これが日本人の定番、常識である。一部例外も居るが。
この態度は最も正しい。人には適切な能力があるので、その仕事で掛け値なしで仕事をすると、本人も満足できるし、周りもそれを十分に認めてくれる仕組みになる。考えてみるとこれ以外に人間の最良の方法はない。一心不乱に仕事が出来て、報酬を度外視して仕事をすることは、決して社会から疎外されることはなく、自然と周りから大切にされる。十分に価値が生まれ、それだけで生きていけるのである。また生き方としても最もすばらしいし、安心と共生の中で生活出来るものである。
ところでこの仕事のやり方を見ていると、本当は「共生」の社会を造る基本原則がすでに出来ているのである。つまり互いに駆け引きをせず、あらゆる人々が社会全体のために奉仕をする生き方である。私達日本人は昔からその一部をすでに実現してきた。これをもう少し進めると、完全な共生の社会が出現する。日本人にとっては目と鼻の先である。
不可能を可能にするのは、地球世界では今のところこの日本人かもしれない。他の民族には今の状態ではこれには当分近づけない。何かのきっかけで、これを実現する可能性は、あるいは日本人が最も高いと思われるが如何だろう。
但しこれはさらに日陰で目立たず、せっせと世のために行う役割になるだろう。決して目立つ役割ではない。その覚悟があれば役目が果たせることになる。
Ｓ：「なぜ私達には挨拶がいるの？」
Ｋ：「挨拶は日頃、誰でもする。しかし、しない人もいる。しないからといって罪になるわけではない。」
Ｓ：「では、めんどうならやらないでもいい？」
Ｋ：「理屈でいくとそうなる。くたびれるだけで何の意味もないといって、挨拶を一切やめている人もいる。挨拶の価値がわからない人である。いらないと思えば挨拶しなくてもこの世は済む。但し終始下を向いていたり、人に顔を背けていなくてはならない。」
Ｓ：「では法律でも決められていないものを、なぜ親たちは挨拶を子供にしつこくせがむのだろう？ 意味もなければしなければよいのに。強制するなんておかしいのではないの？ 見返りもないのに無駄だと思う。なのに親たちは子供に挨拶をしろと口ずっぱく云う。言わない親も沢山いるけれど。」
Ｋ：「たしかに、そうたたみかけると意味はない。法律でも何も決めていない。罪にもならない。けれども挨拶は付き合うための一つの円滑材である。生きているうちは、お互いに用事ができるのは避けられない。一生、人に付き合わないで生活はできない。人間の基本的な存在意義に関わることになるが、私達は頻繁に付き合いが出てくる。挨拶はその際の円滑材である。円滑材がないと、付き合いで大変に苦労する。決まりや法律だけでは円滑材にはならず、生きていけないのである。私達の人との付き合いは必須である。無くては生きていけない。これこそ法則みたいなものである。人と付き合うことは労力もいるが、次の活力を生むということも本当である。人は活力が沸かないと動けない、生きていけない。そのような生き物が人間である。挨拶はそのときに、旨く使うとこれほど便利なものはない。活力の元である。」
Ｓ：「では挨拶をする、しないは、自分で勝手に決めてよいと言うこと？」
Ｋ；「結局そうなる。自分で決めることになる。が挨拶はその人が生きてきた環境が決めていると思われる。する、しないはとっさの判断である。とっさに決めるのは、その人の今までの長い環境、習慣が決定づけている。反応の仕方、生き方の方向を示しているということ。例えば自分の両親が挨拶をしない生活を習慣にしているなら、子供もそういなるだろう。挨拶の意味が今まで分からなかったからである。それで親もそれを子に教えないし、教えることができない。
が、子供を慈しむ両親は、子供が産まれた瞬間から、子供に語りかける。これが挨拶そのものの始まりである。家庭内の最初の挨拶となる。毎日毎日飽くことなく子供に語りかける。そして両親だけでなく、周りの大人や子供達もその子に語りかける。そのことで子供は挨拶のなんたるか身をもって知るようになる。挨拶はすばらしいものだと、そして子供は笑って答える。反応する。そして挨拶の大切さを理屈抜きで知るのである。理屈なんかでは決してない。この意味を理屈だけで挨拶を考えると、そこから何も産まれない。ここが理解できるかできないかの大きな分かれ道である。つまり見えない価値が理解出来るかである。挨拶が出来ない親は、自分の子に挨拶を教えることが出来ない。これは負の連鎖である。挨拶の利点、楽しさを知らないままにその親は自分の子を育てる。」
Ｓ:「では両親の生活や子どもの環境が、挨拶のもとになる？」
Ｋ；「その通り。逆な環境として、子供に最初から積極的に語りかけない親がいる。すると子供は挨拶の基本が理解できない。これは付き合い方の根幹が欠落している生活となる。この環境で育った子は積極的な挨拶の意味が理解できない。言われても強要させられるという感じのみを持つ。そして大人になり社会で生活するようになると、自分の生活態度の違いに気づく。挨拶の便利さ、必要さを少しは知るようになるが、真の挨拶の意味が体感で理解できない。」
Ｓ：「大人になってから挨拶を始めるのは遅いのか？」
Ｋ：「遅い。先ほど言ったように挨拶は産まれた瞬間から、または母親の体内から始まっている。私達の生活の基本スタンス、生き方はこの時分に決まる。産まれてしばらく経ってからでは、得られないある種のものがあって、それが身につかないし、幼児のときにのみ付き合いと挨拶によって、分泌される体内物質もある（幼児以外にいは出来ないもの）。つまり体内物質の欠落（この物質は既に解明、特定されている）人間になる。身体機能の欠乏のようなもの（カタワ）である。同時に精神的欠乏が生じる。これは差別でいっているのではない。単純な事実である。しかし大人になってからでも、少しは挽回できる。ある程度はできるだろうが、しかしいかにも遅い。決定的である。生涯をこの欠落状態で過ごすことになるから。子供にとっては大変な負担である。但し本人にはこの自覚がないままである。」
Ｓ：「後からでも間に合いそうだが？ 例えば教育とか。」
Ｋ：「そういうものではない。教育はこれらに対し何の効果も持たない。このあたりの原理を追及していないから。今言うように、幼児期の境遇が問題で、これがずっと後まで、その子の生き方に影響する。しかも、その子がさらに自分の子供を生んだときにどうなるか？ わかるでしょう。 挨拶をしない連鎖が始まるということが。これを続けると挨拶の意味が、理解できない隣人がたくさん増えるということになる。これは住みよい社会を作るに最も大切な事柄なのに、これが疎かになるということを意味する。精神的なカタワや不具合者をより多くする。これでは私達の生活が、ガツガツとした思いやりのない生活を、互いに強要されることを意味する。これは大げさな表現ではない。勘違いしないように言っておきたいが、身体的欠陥を持った人はたくさんいる。しかしこれと挨拶ができない人を同じにいっているのではない。間違えないように。」
Ｓ：「それでも良いという人がいるなら、それでよいのでは？」
Ｋ：「そこなんだよね。私達は互いに生き辛い生活を、強いてやろうとは思わないだろう。このままでは摩擦が起きるのは最初から予想ができる。これを事前に止めるには、幼児期の子供への接し方にあると思っても間違いではない。間接的表現になるので判りにくいが、これが私達には大きなダメージになる。これ決定的。子供は自分が幼児期にみっちり愛情、挨拶を施されたということは記憶にはないし、思い出せないだろうと思われる。しかしその奥ではちゃんと知っている。その子の生き方を決定づけるのである。その後の本人の動機にしろ価値観にしろ、重大な影響を受ける。愛情と挨拶を受けた子は、社会の何たるかを自動的にきちんと見えない部分で自覚できる。いざとなったときに無意識に反応できるし、はにかむことも、恥ずかしいと思うことも自覚出来る。改めて教えなくても。しかし受けていない子はその理解ができない。聞いてもポカンとしている。これはあと付けはできない能力、基本の部分が欠落するからである。当然、はにかむ行動もとれないし、恥ずかしいとも思わない。横柄なままでこのあたりを何も理解できない。この能力はいつまでたっても回復できない。」
Ｓ：「すると、人格教育にはとくに幼児期の子供への接し方、挨拶が大切だと？」
Ｋ：「このことはいくら言い過ぎてもかまわない。社会に出てからはその子の生い立ち、幼児期の体験はあまり気づかないし、知ろうとはしない。それは別だろうと思っている。しかし生きる上の初期、根っこの部分で受けた待遇、境遇の結果は、誰しもずっと続くのだと思って間違いない。「三つ子の魂」がそのまま続く。後であわてて施しても手遅れ。肝心な点は、後で理屈や知識のかたちで仕込んでも何にもならないことである。これを「付け焼き刃」というが、これは本人も周りも気づかない。お仕着せの教育や、中身のない格好だけの今の教育（思いやりのない）ではまったく歯が立たないのと同じである。義務教育や法律だといっても更にどうにもならない。つまり幼児の時からの、手抜きのない、嘘のない真心が必要というわけ。
このことは学校の戦後教育では全くその違いが分からなくなった。これをよく知っているのは犯罪学であり、昔からよく調べられているものである。これに例外がないことも、その専門家はよく知っている。残念ながらこの犯罪学の特殊な体験が社会に全く生かされていない。犯罪学、犯罪を調べる担当者は、本当は子供の教育現場、学校に教壇に立つべきと思われる。犯罪を知って、その原因に大いに思い至るものがあるだろう。犯罪者を更正施設で直そうとしても簡単なものではない。そのことを犯罪に関わっている人はよくよく知っているはずである。実はこれが子育てや教育現場の第一線で最も重要なデータになる。ここで肝心なのは見えない力、無報酬の真心を子供に、どれだけ与えられるかであり、これ以外には何もない。
よく世の中を良くしようという標語が町中で見かける。無数の標語が街路に立派に五七五語調で飾られ、旗めいているいる。これから教わることもあるが、これは殆ど後の祭り。終わってから何かの努力を始めてもまったく効果はない。立派な今見ている標語は、欠陥のある子供にとっては、しゃくに障るだけである。この意味でこれらの気の利いた標語は全く意味がない。実際にはその周辺で、標語に書いてあることが、日頃起きていることを大きな旗や標語で、わざわざ周りに旗まで立てて公言し、知らしめているようなものである。実際には恥ずかしいことであろう。これは街づくりには少しも役に立たない。本論とは全くズレており関係がない。標語を作った人はそのつもりではないだろうが。」
Ｓ：「でも私達が日頃気づかないものなら、たいしたことはないと思われるが？」
Ｋ：「確かに本人達が気づかないのであればそれで幸せであろう。しかしこの因果が理解できるなら、この連鎖を止めるというのが、皆が住みよい社会になる一つの確実な方法だということが分かる。これが理解できないと、その子が周りと揉めだしたときにその対応が解らない。なぜその子は強力に周りの迷惑も顧みず自己主張をするのだろうと、その真因が計りかねる。しかし幼児期の彼の体験をキチント分析して知ること、その後の生い立ちを知ることで明確に原因、連鎖が解る。彼のいう理屈はもっともであるが、しかし裏にある真相は幼児期の体験にまで確実に逆のぼる。つまり「三つ子の魂まで」戻るとすべてが解るという意味である。世の中に対しそのまま「はい」と素直に言えない、この挨拶が素直にできない真相があり、そのために世の中にすべて反対をし、周りが困るようにごねるのである。何でもごねる。素直さはすでに捨ててしまっているので、取り返しが今さら出来ない。そして社会の皆がその子に大いに手を焼く。最後は反社会的な行動をとって、立派な犯罪を起こす。これはその人物が社会的にどのような立場にあろうが、どのような学習能力があろうが関係がない。そして本当の原因は本人にも分からない。言い聞かせても本人は理解できないので、周りの社会は徹底的に困るのである。しかしごねた本人の隠れた動機の中をみると、それできちんと辻褄が合っているのである。これは大人になって、立派な地位にありながら、様々な社会運動に加わり、難しい理屈こねながら目立って騒いでいる知識人も、全く同じ部類に入る。人騒がせなマスコミ、急進的組合運動、社会運動、向こう見ずの迷惑行動の元は、みなこの部類である。本人自身がそれとはあまり気づいていないだけである。」
Ｓ：「たしかにそこまで云われると、挨拶は私達にとって重要なことがらが分かる。」
Ｋ：「重要どころか、私達にとってこれは生活その基本そのものになる。これなくして私達の生活は成り立たない。挨拶は実際には生活の大半であるから。駆け引きのない挨拶ができれば、私達の生活はお互い八割はしめたものである。そこまでいかない人が増えてきているが、挨拶から遠ざかっている証拠である。そして挨拶をしない人に、挨拶の重要さを知らせるのも大切でありながら、先ほど言ったように根の深いもので、単純に「挨拶をしましょう」と合言葉で言っても全く通じない。
ではどうするのか？ 一歩手前に戻るしかない。つまり赤ん坊の頃に引っ返すのである。具体的には子供を挨拶のできない環境から引き離すのがよい。挨拶もできない両親、あるいは安易な離婚で片親となる親達から、子供を引き離し、他の親たち（愛情のある面倒見の良い大人）で育てるのがよい。見知らずの人々でよい。子育ての好きな人であれば十分である。挨拶のできない親は、子供を育てる資格、能力がないと社会で判断出来る。生んだ親本人たちにはその判断自体が出来ないのであるから。それくらい子育ては責任が重い。子供は単なる飾り、個人の持ち物ではないこと、子供は差別なくこれからの社会を作る重要な財産であることを、知らせる必要があるのは、勿論である。また子供は個人のオモチャや慰みもの、自慢のネタにするものではないことを、このことを親本人に知らせるのがよい。それを知らないのは、親にとっても子にとっても不幸である。」
Ｓ：「では誰がするのか？」
Ｋ：「これを理解できる者がタダでやるのである。ゼニ金なんて言ってられないだろう。子育ての解らない者には無理である。また権利意識だけ強く、社会責任を果たせない者は当然、子供を勝手にいじる権利もない。理由もない。子供は大人の単なるおもちゃや慰みもの、所有権の証ではないのだから。その子はこれからの社会に役立つのであるから尚更である。結局社会全体で、みんなが面倒を見ることになる。それしかない。」
Ｓ：「しかし私達の権利といわれるものは、憲法で保障されているのではないの？ たとえ子育てをまともに出来ない親でも生むだけなら。」
Ｋ：「これが混乱の大きな原因の一つだと思う。戦後のお仕着せ日本の憲法は、植民地化された国（日本）が、混乱した政治や混乱した生活の中で、不用意に誰でも個人権利を過大に与え、義務についての罰則はたいしたものは作らなかった。この国が混乱するように個人の権利を強く主張出来るようにしてある（アメリカ占領政策のため）。この点を、意味の判らない問題弁護士（彼もキチンと挨拶が出来ない部類）が金科玉条のように取り上げ、細事を誇大にし、個人の権利を過大に大きく膨らまし、本質を蹴飛ばすようにする。そして国民同士は権利を最大限に主張出来きた上に、国全体が立派に混乱する仕組みになった。つまり骨抜き占領政策である。戦後の欧米式の低レベル民主教育（アメリカ仕込み）はこのベースを日本の中で立派に作り上げた。同時にこの反社会的な人材を多くの部門で、手厚く大切に育て上げて来たのである。このことはともかく社会の中で、大手を振って行われているので、理解出来る者、マスコミ関係者はは今でもこのシステムをはっきり認識しておく必要がある。」
Ｓ：「まさかそんなことはないでしょう。」
Ｋ：「これが現実。今は学校の先生や親たちは、ここらへんをキチント教えないからね。というより知らなくなったのだと思う。昔はみな親たちが体感で知っていたということ。特に戦後で肝心なもの（最低限のしつけ）まですっかり何処に捨ててしまったといってよい。捨ててはいけない肝心なものを。無責任の戦後教育からこれを取り戻すには大変なことなのに。そして権利と個人主義、成績主義だけは、ご立派に過剰に教えてある。社会全体が揉めるように丁寧にこさえてある。戦後政策は信じられない程、邪悪に作られてある。私達はこの宿命をしっかり知っておくこと。覚悟をしていれば何時でも抜けられるから。」
Ｓ：「今の教育ではどうにもならないということ？ 骨抜き？」
Ｋ：「私達はこの簡単にみえる“あいさつ”をおろそかにしてきた。これだけでもそのつけは大きいと思う。あらゆるコトはこの“あいさつ”に現れる。挨拶に壁がなくなり、誰とも気安くできるなら、私達の界隈はイヤでも住みやすいものとなる。犯罪は自然になくなる。誰しも互いに気を配り、無視しないからである。どの子供に対しても、慈しむことが出来る。生き方の基本中の基本である。そうなると、私達は本当に楽しいことを、ゼニ金言わずとも自分の能力を社会に対し誰しも自然に発揮できる、そういう世の中、界隈になる。ややこしい法律や仕訳、区分、ランキングはそこには要らない。昔から日本に弁護士が少ないこと、この商売がはやらない理由はこの辺りになる。今からは弁護士が増えるかもしれないだろうけれど。アメリカは日本に比べ、昔から弁護士が多く、人殺しもやたら多いしもめ事も多い。このような社会は、決して優れた社会とはいわない。実は最低に近い社会である。よく見ておくように。」
商売をやる上で、品質管理という名目で日本でもISOというものが最近はやった。一時は大騒ぎとなった。これがなければ仕事が出来ない。ISOを取得するのが至上命令のような雰囲気であった。これは民間だけでなく、お役所でも同じになった。今は少し落ち着いている。というより仕方なくやっているという会社が多いと思われる。これは欧米との摩擦の一種であり、様々なことを教えてくれる。日本にはこの信奉者が今でも居る。本質が理解できない者が居るからである。
もともとこの発想は、日本の企業が発信源に結果的になったのである。戦後、日本は安くて品質の良いものを製造できる。なぜこれができるのか、欧米社会はあるとき、本当にこの原因を調べ、現地を見て研究しようとした。そして彼等なりに日本で徹底的に、陰でこそこそ研究した。そこで西洋はその手法のいくつかを日本の企業の中から発見し、「これはいいや」ということで彼等なりに解釈理解をし、その後自国に帰ってこれを元に時間をかけて西洋式の規格を作った。そしてこれが「ＩＳＯ」という形で突然世に現れた。発信源の日本からすると、相当に変形をしたそれを見て、日本人にはすぐには理解出来難いものであった。しかし逆に日本人の中にも、小数だがこれを直ぐに馴染んだ人もいた。
欧米社会からの圧力でこの規格を、その後、大企業から小さな個人商店まで、強引にはめ込もうとした。西洋から来た世界規格ということで、西洋かぶれの人はこのときとばかりにこれを信奉した。このような人はいつもいる。本質ではなく一時のかぶれ
ＩＳＯのもう一つの特徴は、思いやりがさっぱり見えないことある。製品を作るに最も大切なものが何かを知らない考え方なのである。ＩＳＯそのものは使い方はあろうが、少なくとも物づくりの日本人には合わない。ものつくりの基本は規格から始めるのではなく、最初から相手に対する思いやりと発想であるからである。溢れんばかりの思いやりで、日本人は良いものを作ってきた。これは人を疑うことを基本とするＩＳＯの思想とは全くかみ合わないし、逆である。最初から必要ではない。ものをつくる哲学が最初から差がありすぎて、話にならない。
ではＩＳＯの本当の目的はなんであるのか？ 一つめは信頼のおける品質のものを作りたいということになる。これは私達と同じで、信頼は私達日本人も同じ考えを最初から持っている。しかし日本人は欧米のように、他人も自分も最初ら深い猜疑心で相手を見てはいない。逆に最初から信頼している部分が多い。この違いは大きいと思われる。どこまで信用するのかは私達の心の中で既にあり、日本規格のＪＩＳ以上のものを作っている。これで十分なのである。これ以上は互いの信頼と製品そのもので評価してきたのである。規格だけでは判定できないものである。
ＪＩＳの規格（日本工業規格）ですといって自慢する企業は最初から日本には今でも全くはない。当たり前だからであり、規格があわないと困るのである程度の範囲を共通規格で決めているだけである。むしろＪＩＳ規格より遙かに精巧なものを、いかに作るに日本人は競い、心を砕いている。
二つめは、欧米の考えが、規格や規定が好きな民族で、世界中をその規格に当てはめようとしたがるのである。これは支配欲権威主義のような癖でもあり、基準や規格の頂点に立って周りを支配したがる、プライドからくるものである。キリスト教を有色民族に押しつけるのも全く同じ感覚なのである。思いやりからくるものでは決してない。日本人は思いやりから、良いものを作ろうとする。この違いが彼等に違和感を生むのである。日本人は既に植民地であり正直なので、「そうですか」といってまじめにＩＳＯに取り組むが、そのうちにその本質がなんたるかを感じ取り、適当に付き合うようになったのである。ＩＳＯに今は特に罰則はない。そのうちに罰則も作られるかもしれないが、我々日本人には付け足しにしかならない。日本人には必要性が無いのである。必要であればすでに昔から自分なりに、各人が独自の方法で行っていることである。しかもそれは日ごとに変化し、進歩していくであろう。これは彼等には真似が出来ない。
三つ目は、ＩＳＯは手順が多く、作業の段取りを事細かに説明し、過去にさかのぼる記録が必要とされる。仕事、業種によっては必要性は明らかであるかもしれないが、我々は今までそれぞれの分野で必要であれば、すでにとっくに行ってきている。仕事によっては実際にはこの作業は毎日変化し、いちいち記録すべきものでもない。これは個人のスキルの中にしまわれているもので、刻々変化するものである、いちいち拘ってはならないものである。特にアイディアを必要とする作業行程などはそうである。ＩＳＯは完全に後ろを向きで仕事をするものである。決して前向きではないのである（ＩＳＯの本質）。よき物を造るにはアイディア勝負であり、そのための努力が本質であるが、それをさしおいての、決まりにのっとり手続きとその記録（後ろ向き）を最重要としている。馬鹿げたやり方である。本末転倒である。方向が逆を向いている。
四つ目はＩＳＯは採算性を全く無視していることである。消費者の信頼の名の下に、採算はどうでもよく、ＩＳＯを信奉して、熱心にやってそのせいで会社の効率が悪くなり、倒産してもそれはＩＳＯを管理する側からすると、どうもよいことになる。ＩＳＯの監査員の中には「自分が受け持つ会社で、ＩＳＯをしっかりやって、その後つぶれた会社がありますよ。ははは・・・」という愉快げに笑っている、ばかな者がいる。これを聞いた会社側は、唖然とする。彼等は何の疑念もないことであり、それでよいのである。自分の役目（飯を食うこと）は立派に果たしたと信じている。またISOを発想した側はその目的を達しているのであるから。それをよいこととして見抜けない日本人の監査員は、本当の間抜けなのである。
ＩＳＯはピラミッドの支配構造（頂点を持つ三角構造）で物事を構えて支配し、型にはめようとする。ＩＳＯ はこれがすぐに目につく。権力的、聖書的なのである。日本の社会ではこの頂点は要らない、調和の思想であり、支配という思想がない。丸い思想であるので頂点がないのである。各人が中心を持っているが、それが生まれる以前から互いにつながっているので、強いて頂点、支配者を持つ必要がないのであろう。形で強いて言えば、丸いのである。今の調子でいくと、ＩＳＯだけでなく、欧米が日本を理解するには長い時間、数千年あるいはそれ以上がかかるだろう。つまり、人間や自分たちの生かし方、あるいは日本人自体の生かし方を知らないからである。同時に人間と自然の関係を、日本人の私達ほど彼等は知らないということなる。理解出来る訳がない。逆に日本はこの先天的な能力を、これを機に種々な面で今後ますます生かす必要がある。しかも無報酬で。
私達は愛玩動物をよく家で飼う。珍しいことではない。今では私達の生活には欠かせない生きものとなった。昔はそうでもなかった。今ほど動物に気を遣わなかったのである。動物もよく心得ていて、何も躾つけがなくても主人を尊敬していた。動物の境遇も今ではかなり変わったのである。実際に変わったのは人間の方である。
なぜか。私達人間に崇高な威厳、存在感のようなものが無くなったからであろう。犬などから見てみると人の価値が明らかに下がったのである。動物はその点、敏感であり、人間の威厳、価値を感じて、自分より精神的に上位か下位かを自然に本能で判断する。最初が肝心である。そして動物は自分の地位（上下）を計る。そこに住んでいる人間家族を含めて生きものの順位を自分なりに決めるのである。これは犬などに限らない。昔は農家で家畜を飼っていた牛や馬がいた。この動物も主人や家族をよく理解し、その地位をしっかり自覚していたようである。
以前の人間の主人は、それなりに存在感があったのであろう。犬が勘違いをして、うわ手に出ることは決してなかった。今は逆転した飼い方をしている人が多い。犬が勝手に判断して、自分が上位と勘違いをするのである。それほど私達人間の存在感は薄くなったということである。では何を感じて動物達はそれを知るのであろうか。生きものはその点、私達人間以上に自分の立場を本能的に敏感に知るからである。動物達からすると死活に関わり、疎かには出来ない問題でもある。教えなくてもあらゆる動物は知っている。それが生きものである。実は動物だけでなく、植物も同じようであるが。
つまり私達人間がしっかりした考えを持っていないこと、頼りないと、この辺りを動物は感じるのである。私達の考えの内容そのものを細かにかれらは知る必要はない。人間同士の会話や約束事など覚えなくてもよい。態度と目つきで大方それが彼等には判るのである。ということは昔の人は、自分のしっかりした考えを持っていたということにもなる。例外もあるだろうが。
現代はこれが無くなった。その結果、愛玩動物から見下げられたのである。動物の躾つけ以前の問題である。私達は精神的に自立する力が無くなっている。戦後は時に植民地になったので。頼りなくて生きる土台を持っていない。そこで寂しいために動物を飼う。その結果動物から足元を見られ、逆に動物から人間が精神的に飼われているのである。単に上下の差別を問題にしているのではない。要するに、人間の方が見透かされているという意味。
動物から慰められるのは、今時はセラピーといってそれはそれで助かるが、本来私達は動物ではなく人間は互いに人間に正面から向かい合うのが正道である。これが出来なくなったのでどうするのか？ 動物を慰みとして飼うことになる。つまり代償である。しかし人間としてキチンと対峙できない者は、結局動物にもキチント対峙できない。よく見かけるように愛玩動物に着物を着せるのはよいことかも知れないが、本来動物は嫌がるし、全く裸のままがかれらは最も住みやすく、それが正しいのである。訳も解らず過剰なサービスをするのは意味が全く無い。これを見ても人間の思考能力、自立性を疑われている。
私達は実際には、人間自体が最も扱いが難しい。間違うと大変であるし、トラブルが生じるととんでもない攻撃にもあう。それやこれやで、家族、隣人、友人とまともな付き合いが出来なくなって、結局人間同士がその交際を遮断してしまう。やり方によれば本当は人間付き合いが最も素晴らしいし、自分のためになることである。が今は本来の私達の役割を捨ててしまって、人間付き合いをいい加減にして、なんと動物だけにやたら目を向けて、その代用品で済まそうというのである。これで元の人間同士や社会との関係が旨くいくわけがない。本来の人間の役目を捨て、人に対し尻を向けたまま動物側に集中し、では本当に人間の幸せが期待できますか？
私達は近年、人を大切にしなくなった。金で全てが解決できると勘違いしているので、尚更である。実際には何も解決していないのに、壁で遮断し、顔を背けて手だけ出しながら、金銭のやり取りで付き合っているのである。ドアから手だけをだして済ませている。そして本当に気心が知れるのは、愛玩動物だけですとはっきり言っている。人間はイヤですと言って。
私達は人間自体を捨ててしまいつつある。人は付き合い次第では、これほど素晴らしい生きものはないのであるが、そのことを知ろうとすることもなく、つまらない面だけを目にし、あとは挨拶もせず何も気づこうとしない。実にもったいない生活をしていると言われても仕方がない。愛玩動物に愛情をかけてもそれ以上、人は全く進歩しない。人間は人間として人と付き合ってこそ、自分を更に育ててくれるのである。動物は人間を本来の意味で育ててはくれない。動物が私達の主人でもない。私達はそのような動物とは全く違った本来のキチントした役目があると。人間としては、この意味の中で本当の人や自然（動物を含めて）との付き合いがある。自分の本体をすっかり忘れ、偏った付き人合いは、いよいよ私達を小さな世界に閉じこめてしまう。セラピーといって動物は人間の癒しになるので必須だという話がよくある。これは結果論であって、人間には少しも良くない。まともな人間生活を私達が全くしていないということの証なのである。おそらくこの話がピンと来ない人は多かろうと思われる。
例えばキチントした子供との生活が出来る家族は、愛玩動物をそれ程必要としない。飼っても動物が優位に立つことなない。逆に人間生活をいいかげんにしている家庭は愛玩動物を飼うだろう。そして動物に気を取られ、人間生活を何処かに捨ててしい、おおかたそこでは動物が主人になっている。誰でも飼っているのでこれをおかしくは思わない。実は生き物の生き方としては逆なのである。
私達がそれぞれに日頃実際に行うことは、決して大げさなものではない。人付き合いもその中の一つに過ぎない。最も身近なものであると思われるが。それすら今は満足に出来なくなっている。私達の身の回りにはあまりに便利なものがありすぎて、目くらましを受け、本当にやるべきことも見えなくなったのである。
地球では無数に不思議や疑問がある。しかし適切な解答は自分一人でも探し出せないし、誰もその疑問に解答を与えてくれる者もいない。さしたる資料もない。自分で探すしかないが、それを探し出したと思ったら、既に自分が老いてしまって何も出来ない状態。結局たいしたものも探せなくて、大騒ぎしただけとう人もいる。きっかけを少しでも見つけたならば、有り難いくらいである。カスリもしなかった人の方が大勢いるのであるから。
終わったあとで逆から見ると、実に簡単な仕掛けであった。要は地球を脱出すればよかったのである。たしかにヒントがなければそれは簡単ではない。まず素手で宇宙には出て行けない。ロケットや宇宙船が必要である。そして何も知らない私達地球人は、情報なしでは全く歩き出せない。
後で考えてみて、ではどのようなヒントが私達に必要だったのだろう。これは結果から今言えることあるが、まず包み隠しのない本物が必要であった。もう一つ、私達地球の中で、争い事を止めるべきであるが、一度もこれを成功させていない。過去の長い歴史の中でも、それこそ一度も平和は無かった。これが大きな原因だったように思われる。心静かにする術を知らなかったのである。思いっきり、馬鹿げた争いに大いに明け暮れた。これが大きな原因である。こんなつまらない地球人には何の価値はあるはずもなく、誰もこの地球人に本物を教えなかったし、教えられる雰囲気ではなかった。キチガイには誰も近づかないということ。たとえ他の惑星人でもこれは無理である。
普通の議論では何も解決はしない。誰しもしばらく地球に住んでいると、このことがよく解る。目先のシステムとかいって、新しい約束事や概念などをいくら積み上げたり、社会改革を行っても何の効力もない。幻想か自画自賛に過ぎない。変えるのであればもっと基本的な部分、手前の最初の方にある基本的の考え方を、変えるしかないことが後で判る。今までのように部門別に定義や仮定、あるいは無数の方程式を立てても役に立たない。私達は分裂した専門分野の中でしか、物事を図ることが出来なかった。またその上縄張りの縛りもあり、その方法でしか手が出せなかった。つまり枝葉末節で何事も満足し誤魔化してきたのである。全体に通じるものは何一つもっていなかった。これで旨くいくはずはない。枝葉の方から始めたのであるから。
末端は末端のままである。末端から始めることは一見、手早いが、実は何のまとまりもない。全体を見ている者が誰もいないのであるから。枝葉だけが伸びても、それはあだ花に過ぎない。根が何処にもなかったのである。決まらないので、私達はそこで多数決という方法をみつけて、これでローカルに決めてきた。今はこれを民主主義というのであるが、これは最初から叡智を用いない愚民政治である。これでしばらくは満足してきたが、この方法では不思議への探求は全く出来ない。直ぐに挫折するし、すぐに変革や改革が要求されまたシステムを変える。そして止めどもないやり替え、ひっくり返しが生じる。いつも抜本改革だといって声を荒げて次の奴が主張をする。
このように末端の積み上げだけでは全体が見えない。全体を見るのは、「神様」だと私達は感じている。遙か彼方にいる神様だと。実際には隠れたその神様を、私達が皆持っているのであるが、それを一切使おうとはしなかった。五万とある神様を堂々と使えばよいのに。実にもったいない話であった。
出しゃばることなく、各人にはその神性がある。個人の自慢抜きで、それを出せばよいだけのことである。この神性は単に個人のためにだけ備わっているものではない。もちろんこの能力は、無償で自分以外の他の人々のために備わっているものであり、素直にそれを利用する方法である。
この使い方法を各人が行うと、私達の生活の不足なものは何もなくなる。大自然は私達の元からの協力者なのであるから、障害になるものは一切なくなる。これは他の惑星の人々の昔からの生き方である。地球人も同様に、これが本来の人間の生き方であり、自然なのである。人間にとって障害となるものは、私達人間本人しかいない。他は全て味方である。
私達は最初、不可思議を探求した。自然は多くの法則に見えるものを私達に示し、自然の働きを教えてくれた。その探求心と成果をもって私達はいつの間にか、この知恵を金銭の価値観に変換する方法を編み出したのである。ここでおかしな事が起きた。つまり自然探求が営利目的に変えられ、自然の法則を見つけるのが、大きくひずみになってしまったのである。これでますます私達の前には神様が隠れて、表に出なくなってしまった。醜い個人の欲望がいやでも絡んできたので、神聖なものは何処にも感じられなくなったのである。
そして自然の探求は、ついに単なる金儲けとなった。おもしろくも何ともない出来事に変化したのである。そこで私達の文明は進歩しているようであるが、一方で何もおもしろいものがなくなった。ただ便利になっているが、幸せにつながるものが何処にもないという状態になった。
「便利だ」「だからそれがどうしたの？」となる。
私達の生活は、一見便利になったなだけ、一方で不幸せな人が増えるのは、これは根本が間違っているに違いないのである。やっている本人達も何処が間違っているかを全く気付いていないし、答えることができない。一部の勝ち組の人達が「これはいい」といっているに過ぎない。他の大勢は何もおもしろくはない。無数の階段状の差別と、極端な格差が広がる世界である。このような世界は早晩、止めてしまった方がよい。枝葉から始まった、付け焼き刃の文明は早晩崩壊する。再構築するだけの余裕もないしアイディアも絶対出ない。最初からやり直すしかない。もっと自然に沿った地道な生き方に、早く戻すしか手がない。
銃のない社会は現実には、世界で見渡せば日本などがある。庶民が護身や殺人目的で銃は常日頃持っていない。しかも日本は犯罪発生率が少ない。結局、銃で犯罪を予防は出来ないということである。全く逆になる。
しかしアメリカのように、護身や攻撃を基本とする国民性は、丸腰を許さない。野蛮な国民は、本能的に銃で身を守るのである。そのような社会を、先祖の生立ちから体験しているからであろう。理由の一つに互いに、相手を頭から信用していないという基本的な生き方のスタンスがある。人を最初から信用せず、疑ってかかること、互いに相手のものを、力ずくで奪い取る性癖からくるのであろう。ところが日本人は、逆に最初から相手を信用する。互いに何事にも譲り合えるので、本来銃は要らない社会なのである。
そこで不要な摩擦、不要な探り合いをしないので互いに話が早い。つまり物事が「さばける」のである。これも実際には条件があるが。つまり日本人同士の身内であるということになろう。他の国では最初から相手を騙す、誤魔化す、裏切る、というスタンスで立ち向かう。だから身内でも効率が悪い。他人なら尚更であろう。何をやるにも多くの手間がかかるのである。仕事の内容に限らず、あらゆる商売でも信用の点でみな引っかかる。日本人同士はこの事前の手間が不要なのである。どうもどうもの挨拶で直ぐに話が出来る。この点が外国人から理解できないのであろう。
さてどちらが利口なやり方であろうか？ 結論は明らかである。不要な防御は最初からする必要がないからである。これを進めると、日本人のその効率はとめどもなく良くなる。しかし他国からは理解できない民族となる。
戦争しかり。日本人も戦争はやった。やむにやまれず嵌められてやってしまったが、日本人風にやって、一時は戦争技術が優れ、旨くいったのであるが、しつこい反撃に遭って負けた。日本人は相撲や柔道と同じ要領（いさぎよさ）をもって戦争したのであるが、外国との戦争は、勝ち負けの判定が日本とは全く異なっていた。結局しつこく大陸風や西洋風の戦争はやらない方がよかったということを、この戦争体験でたくさん学んだ。
では昔から日本人は、なぜお互いを信用できるようになったのであろうか？ これは大変に遠い昔の因縁があるような気がする。単にそのような変わり者の国民が居たということもできるが、残念ながらこの日本人の良さ（自画自賛であるが）は日本でも世界でも正当に評価されていない。今の世は勝ち負けや採算性、売上高だけで判断しようする強い風潮がある。日本もこの判断をする者が戦後に大勢い増えているが、基本は全く違う。人がよくて大ざっぱでおおらか、いい加減で人が良く周りに献身的であるが、このような気風などが理解されていない。人のよい無用心なこの生き方が、西洋からみるとバカに見えるからである。
しかし銃が無くても社会秩序はキチンと守れる。これは確かなことである。やたら立法、法律、制裁、裁判、弁護士などが無くても立派に社会を維持出来る意味である。ここでは銃が不要となる。私達日本人も昔からすると（縄文時代より）精神レベルはかなり落ちたようだが、まさにそのよき実例である。制裁や規制、脅しで、住み良い社会は決して出来ないという基本が、銃社会の人々は全く理解できないし、直ぐには到達出来ない壁がある。因みに縄文時代の日本では殆ど争い、戦争はなく、高度な社会を営んでいたようであるが。今の我々はこれを、勘違いして未発達の時代といって下に見ているが（この判断は理解力のない考古学者のせい）、実は全く逆と思われる。日本のよき文化の基本はまさに縄文である。
日本人は「どうも、どうも」の挨拶が多く、この意味を含む内容が他国には理解できない。この曖昧さの挨拶が全てを表現するのである。私達は大陸や西洋文化から、立法社会は進んだシステムと戦後教えられ、このことを判っていない日本の戦後の識者、先生達が、やたらこれを広めたので常識になった。がこれは逆である。大陸系は考え方が粗雑で、相手に対する思いやりが稚拙なので、正面からの手続き、立法がいやでも必要になっただけである。
これは別名、民度という言葉でも表現できる。曖昧であるが、日本人はあらゆる意味を含めて挨拶をする。そして手順を省くのである。その挨拶を見て、警戒する必要がないので、それだけで済んでしまう。この社会では銃はもちろんなくてもよい。銃や法律は手間ばかり掛かって邪魔になる。銃がない方が直ぐに本論の話が出来る。声を荒げた確認や脅しの前置きの言葉で、相手を縛る必要が全くないのである。リスクのための対策や、高価な弁護士への依頼、保険の契約などの手間がいらない。
銃社会で平和を維持するのは大変である。相手の何処までを信用するのかを計る必要があるし、リスクの計算を常に怠らないよう警戒が必要である。そして騙しを防ぐために、膨大な法律書、契約書、保険条項を慎重に吟味し、いざという時の対策を怠らない。一旦トラブルなら弁護士を雇って、正当性の証明をし始める。自己主張は激しいのである。日本人からするととても恥ずかしいくらいであるが、はずかしい感覚が彼らには全くない。だから自分の意見はうるさいぐらいに強調する。イエス・ノーを大声張り上げてはっきりさせるのである。最後には裁判に勝てば、真実などはどうでもよい社会になってしまう羽目となる。実に滑稽である。一体いつ平和が来るのだろか？という感じがする。 実際、平和はほとんど考えていないようである。その前に銃が要ると言い張っているのであるから。周りや他の民族を、その銃で脅すのが古来から彼等の生き方、しきたりの基本であるので、彼等は他民族を奴隷にしても全く平気であり、何も疑問が湧かない。それが理不尽なことであるということに、今でもトンと気づかない。
もし真の平和が欲しいのであれば、銃は最初から考えないのが本論である。銃など威嚇攻撃用の兵器開発の発想を最初からしないのが条件である。日本人なら誰しも解ることであるが、銃を愛する人々はこれが全く理解できていない。この深層に横たわる性分はすぐに直るものではない。時代の長い間に培った民族の性分は、さらに長年月をかけないと直らないし、気づかない。日本では弁護士の数が少ないと言われる。だから増やせと言うのはばかげている。弁護士の多い国の真似をするのはナンセンス。弁護士は居ない方が社会は生活しやすい。同じように法律も同じで、無い方が社会は優れている。それほどトラブルが少ないという意味になるのであるから。立派な弁護劇をよくドラマで見るが、これもさして意味がない。争いは少ないのがよいのであり、争いに勝つことは大して立派なことではなく、実際には野蛮なことである。日本人の間では裁判沙汰になると、人間関係が断絶されることを事前によく知っている。これはやりたくないのである。本質は争いを最初から予知をして無くすことが、知恵ある者の優れた生き方である。
もちろん日本人の中にも銃社会に賛同する人も少しはいると思われる。また日本人は他民族を全くいじめなかったとは言えない歴史を一部持っていることは事実であるが（やむなく）。日本人全体がそうなのではない。多くの他民族（大陸系）が縄文の後に移住混血し、転生もしてきているのであるから。今でも本来のその良さが、まだ少し日本に残っているのが幸いである。日本では今後ともこの残り火を維持する必要がある。これが身の周りからかき消えると（大陸化）、私達日本人そのものは、生きる意味、価値そのものが殆どなくなる。とほうもなく低レベルの民度を持った民族が、世界中で大量に増殖し徘徊を始めているからである。
私達は互いにプライドが高い。個人でも当然であるが、それぞれの民族独自でも、たくさんのプライドを持っている。その使い道は世界中に汎用的なのである。
プライドを持つことに通常、誰しも悪いとはいわない。むしろ「プライドを持て」と常に何をやるにも鼓舞している。子供にもそう教えている。美徳のように思え、良いことのように映る。しかもこれは、上流階級から下層の階級までみな持っており、それが重要な点は誰にとっても変わりがないことである。貧乏な人もそれなりにあるということである。つまり貧富の差はなく、プライドは大切なものになっている。同時に一つの生きる糧になり、力になるものである。プライドがなくなると、誰しも萎（な）えて生きていく推進力がなくなるものである。「自分はこれだけのことが出来るのだ」という確信と負けん気を起こすもので、明日への架け橋にもなる。プライドは地球人であることの、一つの証になっているかも知れない。
ところでプライドは使い方を間違うと、周りには大変に迷惑のかかる代物になる。内に秘めている間はよいのであるが、それが周りに鼻をつくようになると、迷惑をかけるのである。このようにプライドを持つのは両刃の剣であり、鼻持ちならないことにもなる。このままになっているとプライドは役に立たない。つまはじきの元になる。本人が全く知らない間に、自分い良いと思っているプライドが、周りには大きな邪魔物になる。社会的な迷惑になるのである。
またプライドは、ヤグザでも大切にされる。メンツが立たないといって、命をかける羽目になる。気質でも同じで、プライドが立たないと面目がつぶるといって、今いる場所から逃げ出さなくてはならない。ある時は死ぬ羽目にもなる。恥をかかされて生きていけないのである。こいうなるとプライドは、生きていく最低限の動機になっていることが分かる。プライドが保てれば、周りは「立派ですね」とほめてくれる。そうでないと馬鹿にされる。「あなたにはプライドというものがあるの？」と激しく責められる。
プライドの質や内容が問題なのかも知れない。個人的な目的のみの場合、そして個人でではなく広い意味のプライドがあるようにも思われる。個人的なそれは、子供の頃にほめられた続きをそのままやっているもの。「あなたは偉い」と褒められたことがそのままであるというもの。そして動機が狭く、個人の満足に終わっているもの。本来はそのプライドは、個人から広いものに変化していくのがよいのであろうが、あくまで個人の中に、しまい込まれてきたものなどである。
このようにプライドは使い方次第で、大きな働きと動機を与える。またときにプライドは嘘をつかせることもある。個人の持ち物だけにこだわった者は、いつまで経っても自分はともかく立派だと勘違いしたままなのである。最後は誰しもそれを見てうんざりするのである。その古ぼけたプライドが昔のままで横着さをもって磨きもかかるからである。
プライドの逆は謙虚である。謙虚さにも様々なレベルがあるように見える。謙虚さはプライドを一見、なくしたように見えるがそうではない。謙虚さが本物になると、プライドは要らなくなるのである。プライドは別物に変化するのである。じつはこちらの方が長持ちするするし、良い方向に全ては進むようである。
ところで大自然は、私達のようなプライドなどは一切持たない。最初から不必要なのである。しかし私達よりかれらは偉大なことを平気でやってくれる。このとき私達のプライドのようなものは、じゃまになるだけであるが、このように自然は私達より遙かに偉大なことを何も無しで易々とやってのける。私達のようにプライドをひけらかすことも一切なく、さっさとやるべきことをやってくれる。が私達はこのことをよく知らないし殆ど気付かない。自分の小さくてみすぼらしいプライドについては、非常に敏感であるが、肝心かなめのことをよく理解していない。
私達は先ほどのように子供の頃に褒められる。しかしこのときの記憶をそのままに引きずって、精神が小さなまま、みすぼらしいままに終わってはならない。褒められるのは大きな動機になるが、そのままにしては次第にみすぼらしくなる。グンと大きな動機に自ら変化させる必要がある。大きなものとは、自然の働きそのものである。これが謙虚さに変化させる見本のように思われる。私達は自然に学ぶことは、これ以上最良なものはない。これが一番である。彼らにプライドらしきものは何処にもないが、しかし偉大なことを平気でポンとやってしまう。自慢もしない。これに比べ人間は、いちいち褒めてもらいたと、何時までもこちらを見て言っているようである。この大自然の生き方、貢献の仕方は、人間自身が本来学ぶべき点のような気がする。
子供ははっきりした動機が必要である。これが褒められ、そしてプライドを持つようになる。次に相手を思う謙虚さを同時に知らせないと、次のステップアップが出来ないままとなる。子供を焚きつけたままではいけない。謙虚さに変化させることが出来るなら、後は自力で何でも謙虚に出来るようになる。つまり社会の面倒がみられるようになる。その手前のままで進歩がないと、いくら大人になっても、老人になってもその子は社会には役に立たない。プライドだけ高い欠陥人間のままであるから。
物を売ることのみを目的とした店舗、最近でいえば、郊外大型店舗がある。この目的は今までの地元の店舗や界隈を全く無視した営業形態で、唯一の特徴は、売るための努力は無限にするが、人に対する本当の思いやりはさほどなく、あっても大変に希薄であり見せかけである。そのためにいままでの町並みを全く無視し、共存というようなことは殆ど考えない。その余裕は全くない。利益の権化になった姿に見える。
ところで町のみんなで作る「界隈」は人を発酵させる。発酵とは生き生きさせること。大型店舗にはこの界隈という思想がない。最初から持っていない。売らんがための店舗であり、界隈というイメージは持っておらず、そのために作ったのではない。界隈を醸成するには時間がかかる。そのような手間のかかることは、大型店舗はしない。申し訳程度に広場を作るが、客寄せの一環で本当の思いやりが何処にもない。彼等は何処ともなく現れて、あっという間に化け物みたいな店を作り、周辺をかき回して都合が悪くなるとそのうちに去っていく。
界隈は人を育てる。人の幅を持たせるのである。良くも悪くも。しかし大型店舗はそれがない。企業努力、イノベーション、技術革新、採算性、これらは盛んに追求されるが、界隈の効果やその有効性には気づいていない。もちろん、界隈は利益のみを目的としていない。強いて言えば人作りを、無意識にその目的としている。効率が目的ではない。全くその精神が異なるものである。
だから大型店舗が沢山できても「町」は出来ない。「界隈」は成立しない。子供は育たないのである。界隈のない社会からは、つまらない子供はいっぱい出てくるが、おもしろい子は一人も出てこない。もう一つこれらの店舗は人間の考え方も変える。不便さを無くし利便性を加速するが、それだけのものにすぎなくなる。深みがないのである。
私達はいつの頃からか、利益が出ればよいと短絡に考えるようになった。利益最優先である。しかも銀行も後ろにくっついている。この一年以内に、三年以内にと期限を切る。そしてあげくが、この大型店舗の出現、隆盛になった。そして界隈にいた本当に話せる人はいなくなった。なんのために生きているのだろう。ガツガツと利益が優先だと言い張っている。何も判っていない商売のキチガイである。チンケな利益がすべてと勘違いしている。そして経営者自身は、そのチンケな価値観（のぞき穴）から客を見ている。利益の隙間と、節穴から世の中を覗いているのである。そのみすぼらしい価値観は、地球ではそれなりに使い勝手があるかもしれないが、ただ地球の片隅だけの話で、これが非常にローカルということにまったく気付いていない。恥ずかしいぐらいのローカルな価値観なのである。経営者は別の価値に気づいていない。価値観と哲学が貧相なのである。たしかに貧相な民衆（お客）にはそれが最も似合っているという考えであろう。
これは自然に対しても同じようなことが起きる。単純な目的で自然を開発すると、その自然は元に戻るのが大変である。私達人間が考えている“利益”などという自然からすると意味のない目的は、自然には全く無関係である。それで強引に自然に手を加えると良いことは何もない。自然自身が自分でやるやり方は、実に精妙である。小さな生きものから大きな生きものまで、すべての思いやりにそつがない。そのように組み込まれている。これを人間の社会に当てはめると、これが正に界隈のあり方なのである。大型店舗はこの点、全く思いやりがお粗末ということがよく判る。
ところで私達の生活の中にある”無駄”は、生きる糧のように見える。江戸の文化もそうであった。思いっきり無駄があったのである。実は意義ある無駄であった。短絡した考えではなく、長い時間が経つと無駄の意味が判ってくる。日本のこの時代は世界にまれなる大きな文化が花開いた。これが界隈である。これは無意識、意識的に出来た界隈で、それに沢山の人が集まり、有機的な文化が花開いた。幕府はこれを強いて規制しようとしたが、あまり規制をきつくすると界隈は萎縮した。緩めると自由に開花し、思いもしない文化を生む。一見して途方もない無駄が、おもしろい文化を生むのである。この面白さを、役人も知っており、陰からしっかり歌舞伎などを覗いていたのである。そしてとても面白い子供が生まれそれを育む。これは人の妙である。効率だけではそうは旨くいかない。一見無駄であるが、みな意味が深く、大自然のようにかみ合わせが出来るのである。
子供に何かを教えるには今では学校、学習塾などやこれに似たシステムがあるが、これだけでは人材は決して造れない。その目的と動機が全く異なるからである。成績を上げて個人が成功すること。これは規定のもので、社会的には何も面白くはない。それぞれにほんの個人的なことに過ぎない。人を管理するには（役人になるだけのこと）この成績で通用する。しかし人を育み、界隈で育てると個人だけでなく、社会全体が活気づくのである。これはやってみなければわからない。短絡した目的の学校や学習塾みたいには決まらない。私達は無駄の効用を、今では殆ど知らなくなった。鷹揚で一見出鱈目であるが、人を沢山愛する育て方は、レベルの高い人材を育てるのである。十年二十年では判らない。五十年百年経っても判らないのである。そのようなものを、ケチケチした利益、効率重視の今の考えでは人材は育たない。昔はそのような意味でいい加減な人々が沢山いたのである。だらか日本にはおもしろい文化が育った。
これから育つだろうか？ 特に戦後は今のままでは無理である。昔からしたら相当に低次元化して、何でも利益、効率、B／Cといってその成果を直ぐに求める。研究成果や論文をしつこくせがむ。すぐに短期の結果が欲しいと後ろの資金屋がせがむ。1年に以内めどをつけろなどとせっついてくる。成果が出ないと担保を取り上げると脅す。これでは人材が育つわけがない。
ところで、いままでのように雲をつかむような考え、理念のようなものは、本来男にしかできない。もとより男はこの意味で遊び人なのである。というよりこれが男の明確な、もう一つの役目なのである。これを女性にやらせては酷である。しなくてよいように、男と女はそれぞれに、適性が元から割り当てられている。これを無理して（今どこでも平等といって）代替わりする必要は全くないのである。素直に男女それぞれの役目を、果たせればこれが一番なのである。男の役目を強いて女に横取りさせることは酷である。どちらも無理がある。最初からしない方がよい。
界隈はそうやって旨く男、女を使い分け、仕分けしてすばらしい文化を創造してきたのである。今のように西洋風の低次元化した男女平等や、誰でも均等な選挙権といった、子供じみた平等を主張することもなかったし、それ以前に男女の互いの尊重はいやというほど判っていたのである。これは本当の大人の男女付き合いを、互いにしていたということである。別の言葉で云えば、この社会の特徴は、大人の感覚と”思いやり”がたくさんあったということになる。
今の市民はこの高度な男女の相互理解が段々と難しくなってきたのである。低次元化し、子供じみているのでうっかりしたことが云えない。訳のわからないガキのような「差別」「権利」「個人的権利」「個人情報」と言い張って全く意味が通じないのである。投票権さえあれば平等で立派であると完全に信じ込んでいる。何でも男女同じくすれば立派と勘違いしている。まったく同じくして良いことはそれこそ一つもない。これは次元の遙かに低い、白人達の受け売りに過ぎない。男女の役目と特徴をすっかり忘れてしまっているのである。これからもこの傾向が続くだろう。界隈の本当の話も出来なくなる。低次元の西洋文化の平等思想の影響は恐ろしいものである。日本人にとってこれは自殺に等しい。これは男女差別を言っているのではない。そのような安っぽい一元論で話をしているのではない。
便利さは私達には重宝である。何でも便利な方を選ぶ。不便なものは使おうとしない。時間がかかるからである。金にもならないと。
このことは誰しも何の疑問も持たない。この便利さの陰で私達は大切なものを沢山捨ててしまった。これに気付いていない。例えば洗濯機がある。昔は洗濯板を使って手洗いであった。いつの頃から各家庭に電気が来るようになってからは、便利な洗濯機が使われるようになった。洗濯機も最初の頃ほど高価でもなく、今では手軽に買えて安価でもある。持ち帰ってすぐに使える。
昔の洗濯はどうであったか？ 水道もない昔は小川や井戸の傍にある水場や、洗濯場が重要な社交場であった。今では水道はどの家庭にも立派な蛇口が家の中にあるが、これを洗濯機につなげ、電気をつなげ、排水管につなげるとそれで簡単に洗濯がいつでも出来る。これほど便利なものはない。昔の洗濯の社交場は、それこそ主婦の重要な場であり、触れ合いの場所でもあった。情報もそこで得られた。その触れ合いで良くも悪くも多くのことを知るし、付き合いはもちろん、嫌なこともたまにはあったと思われる。しかし濃密な付き合いが出来きた。これは重要な勉強の場でもあった。
しかし電気と洗濯機の出現で、この社交場がなくなった。その代わり他の社交場で人々は集うようになった。ではそこで昔ほど濃密な付き合いができるのか？ これがそれほどでもない。それなりの一辺通りの付き合いはあるが、昔ほど知恵は出ないようである。生活の知恵は他でもあるし、これ位の知恵は何処でも手に入るとおもっている。この手の情報はいつでも手にはいる。便利さ故の低価値化でもある。付き合いが薄っぺらで、気持ちを伝えるものがない。デジタルで即物的であり、そしてあっけない。
食事もそうである。昔はすべて手作りでしかも家庭料理が基本であった。いまではその半分もしなくなった。外食や、出前、出来合いの料理、コンビニ弁当と便利なものはいくらでもある。そして食事の時間も家族がみな勝手に済ましてしまう。この結果、私達には家庭での料理を楽しむという、最も基本的な付き合いを薄くしてしまったのである。団らんは次第にしなくなった。これは家庭のつながりが希薄になったということ。テレビやスマホを見ながら食事をし、団らんは雰囲気もなくなってしまう。その結果家庭の付き合いは薄っぺらとなり、密度のある付き合いは全くしなくなった。というより出来なくなったのである。
この電子機器については人間付き合いを分断する働きが顕著である。例えば子供にゲーム機を買い与えると、子供達同士はその付き合いが本当に薄っぺらになり、その殆どを機械に気をとられる。一心にゲームに気をとられては、人付き合いが出来るわけがない。ゲームを造るメーカ側は、よりゲームに熱中するように殊更上手に造り込んでいる。ゲームかよく売れるようにという単純な動機である。これが人間関係を薄っぺらにするなどとは、全く考えていないし、なったとしての何が悪いということになる。自分は売れるゲームを造っただから自慢したいのにと。そして大人達もこのことに気付いていない。それどころが自分達もゲームや携帯電話にはまっており、機器の操作に忙しいのである。子育てどころでない。子は親を見ようとせず、親は子を見ようとしない。この状態は野放しになっており、放埒な社会をこれから造るのであろうという危機感は全くない。これは完全に世の商魂、商売に飼い慣らされた家畜、ゾンビの状態である。元の人間は何処へ行ってしまっている。
このように今は家庭の生活様式もすっかり変わった。勝手な個人の生活が出来るようになった。親は金さえ子供に与えればそれで済んでしまうと思い込んでいる。そこで金銭的に余裕のある奥さん達は結局することがなくなり、子供の勉強の成績にいやでも目が向く。昔は子供は親の背中を見てきた。今は親が子供の背中を見て、勉強しているかをいつも監視している。経済的に苦しい親はその子を見る暇もないので、隙間を見て子供の勉強に鋭いゲキを飛ばすのである。またそのうちに子供が親に見向かなくなると、放置状態になりコントロールは効かなくなってくる。精神的な余裕などは全くありもしない。
便利さを求めた結果、あらゆる生活手段の一瞬一瞬に、有り難みがなくなったのである。一つの行動をとっても重みがなく、瞬時に終わってしまうことは、私達を奥ゆかしさから単純な処理に変わってしまった。何でもないことは正になんでもなく過ごしてしまって、それっきりである。ではこれを超える触れ合いを私達は何かで得られるのか？ これを実は便利さ自体に気をとられて忘れてしまったのである。生きる基本の過ごし方を忘れてしまった。もちろん便利さ以外に何かを求めていたわけでもない。単に便利になった単純な変化を受け入れただけである。それが知らない間に、私達の人間付き合いの薄弱さに変化してしまった。人同士の付き合いが出来ない人々が更に多くなったのである。これは文明の単純な便利さと密接に絡んでいる。
同じことは、私達が金銭を主体にした生活をあまりに重視し、生活が金銭で完全に切断され、人の交流そのものがあっさりと切断されていることにも現れている。金銭は便利である。しかしこの便利さのために大切なもの、人と人の間で分断をしてしまっている。この分断は遙か以前から行われてきたが、そのことに気付いていない。人同士の価値判断ではなく、最初に金銭の利益判断をするようになったからである。これを私達人間の間に挟まった分断作用があるのだと、はっきり知っている人は少ない。何しろ、金銭の発明は文明の勝利であるなどと、自慢げに言いふらす文化人や知識人が多いからである。この違いが人間と猿との差であると。実際には全く逆であるが。つまり私達の魂のレベルが低下したので（思いやりがないので）、貸し借りの証として金銭を強引に持ち出したのである。これが便利だといって、未だに手放そうしない生活のやり方は、その後に大いにイビツなものを、この間に生んできた。この悪夢から私達は未だに抜けられないでいる。それが今の貨幣経済と異常な金融取引の活動なのである。
同時に文明の利器の多くの発明は、戦争とも深い関係にもある。それは使う側の話だろうとは言い切れない。これは密接に関係している。少しでも優れた兵器を持つと、そのとき政権体制は簡単にひっくり返るのである。これで国境までを変えてきた。長い戦争の歴史でそれが証明されている。僅かな兵器の優位性、利便性で勝敗の結果が決まるからである。鉄砲の引き金の仕組み一つで、砲身の長さで戦争の結果や、国境が変わった。
ところで日本人は多くの発明をする。同時にこの技術はもちろん兵器にも使える。最新兵器は日本の技術が世界で今では不可欠になっている。無意識に発明した便利さは、他の戦争好きな国からすると、のどから手が出るほどにその技術、材料が欲しい。日本人は発明するのはよいのであるが、節度を持っていないと、原子爆弾で広島、長崎に被害を被ったように、自分の国にそのおつりが返ってくる。つまり便利な発明（材料、加工技術、基礎科学など）は結局、何に使われ、何に加工されるかを日本人は知らない。喜んでばかりはいられない。
ＩＴ技術もそうである。便利さと同時にその隙間を縫って、とんでもない悪事が無数に出てくる。つまり便利さと同等に、あるいは便利さに輪をかけて、不便さが蔓延するのである。ならば、通信が昔の不便なやり方がむしろ良いのではないかとなる。しかし今更不便な通信技術は使えなと言い張るだろう。
私達の教育はどうなる？ これも同様に考えると、似たような経過をたどる。元の動機は前記の例と全く同じなので、その結果も私達に良い物は提供してくれない。むしろ競争をはげしくている。何のための教育か？ 今では単なる競技、競争にまでなり果てている。いかに良い成績を効率よく上げるかに必死になっている。それ以外に動機がない。教育の中身など全く気にしていない。この動機が実に貧相なのである。人材とは金を稼ぐことだけになった。これで社会や他の誰かが幸せになるわけがない。どれほど努力しても結末はたかが知れている。ただの
技術を開発している者、便利さを強調する者にとっては、すでに何かが出来るというレベルではない。不便さを解消することは、住みやすさの実現には結局無力である。つまりイタチごっこということ。信じられない追っかけゲームを無限に始め、続けなければならないし、すでに最盛期なのである。まことに滑稽である。これが私達の自慢する進歩した便利な文明なのか？
私達は恥ずかしくなる。途方もない迷い道である。どこで間違ったのであろう。この大きな原因は、物事を便利にする発明はよいのであるが、それと同時に価値観や動機とその意味や考え方を発達させなければならないこと。道具で使うものはそれだけでは、済まないということ良く知ることである。便利さに飛びつくととんでもないことになる。結果的に住む社会は少しも良くはならない。私達の動機はその結論をすぐに導き出す。私達が隠しても隠しようがないのである。もろにその結論が出る。これほど便利にしてこれほど努力して積み上げてきたのに、なぜ逆の効果が出るのか？ しかも便利になると同時に人との関係はますます疎遠となる。親密度は無くなり空々しくなる。丁度逆比例しているのである。
私達の価値観を考えてみよう。今まで生きることに価値観をどれほど追求してきたのだろう。宗教、哲学、人生訓など山ほど作り、積み上げてきたが、それも長い時間をかけ、長い時代をかけ、体験も嫌というほど積み上げてきたのに、人殺しや戦争も無数にしてきたのに、歴史も腐るほど勉強し、研究してきたのに、実はなにも役に立っていないのではないか？ 一体何のために研究し、生きてきたの？ 私達はここで問われてきている。本当に努力したの？ と。ただの娯楽やスポーツ番組をいま見るために生きてきたのだろうか？ 便利さのため？ 無目的な割には、どうして年をとってきたのか、ただ長生きにこだわるのだろうか？ 何か本当に今の生き方は、今後意味がこれからも何か出てきますか？
今まで大いに追求してきたその割には、いつも明日は何が起きるか判らないと、誰しも不安がっている。全ての国民が安心を持てず、右往左往している、安心した人が一人もいないというのは、今の生活の根本がおかしいとみるのが正しいと思うべきであろう。私達の便利さのみを追求した今迄の結果は、決して安心や安定をもたらすものではないことがしっかり判る。
自分の生き方の中で、転生を含んでいるということが、現実に感じられたときに私達が体験することは、自分の今の考え方が大きく変わることである。同時に他の惑星の現実性も身近に理解が出来るようになる。目の前にいる人達の現実味が更に増す。なぜに人が惑星に生きているかも理解できる。絵空事が少なくなる。地球で作られたおとぎ話や、宗教を信じなくてもしっかり生きていけるようになる。当然恐怖もなくなる。あるいは人に対して羨んだり、自慢したりする小さなことも必要も殆どなくなるのであるから。これは地球人にとっては大きい革命である。
転生を前提に考えると、このように現在の自分、他人の基本的な考え方のパターンが、より現実的に理解できるようである。つまり転生と他の惑星のことが同時に起きる。それぞれ別々の出来事ではないからである。逆に転生が考えられないと、これらのことはみな現実味がかなり遠のく。地に足が付いていないので、最初から互いが理解出来ないことになる。これが現状の私達である。いくら議論をしても結局かみ合わず、そして転生などは単なる「戯言」と言っている。キチガイじみて見える。キチガイは誰も信用しないし相手にしなくなる。そして地球だけのあまたある狭い道理、理屈、理論に徹底的に振り回れるのである。それこそ一生、何百年も何千年も、真っ赤な嘘に付き合わされる。真理そのものはそれほど多くはないと思われるのに、無数の議論が飛び交う。さらに恐怖や恨み、妬み、殺し合い、騙し合い、意味のない馬鹿騒ぎも多くなる。
がこのように騒ぎを止め、私達は自分の転生を現実的に感じられるなら、はじめて物事の判断が確実で複合的に出来るようになる。決して現状より悪くはならない。しかし注意すべきは互いに謙虚さが無いと、とんでもないことになることである。これが少しでもすれ違うと実に、とほうもないほら吹きになる。また実際これはほら吹きになってきたのである。今までの私達は謙虚さがないために、努力をした割には大した価値観は生まなかった。それどころか結果は無惨なものにしかならなかった。これからも今までのままであればそうなる。
さてこの違いは何処が異なるのであろうか？ ほら吹きと本物は何処が違うのか？ 本物の見分け方は、汎用性があるかどうか、問題は何処に基準があるかということになる。誰にも共通のものとして判別出来るかであるが、その基準は勿論、私達人間の狭い個人的価値ではなく、万物や誰しもが共通に納得出来るものがなければならないだろう。
自分が転生することを知るのは、あるとき一瞬でものが見えるようになったという人もいるかもしれない。または他人から自分の過去世を知らされたというものもあるだろう。そして自ら自然に感じるようにもなるだろう。
転生を実現するには、優れた宗教の教祖のように長い鍛錬を行い、悟りを開いて知る方法もあるだろう。しかし今私達が普通の生活の中で行う方法もある。例えば、一旦は人間の転生を、仮定として考えてみるのもよい。そうすると現実性が逆によく見えてくる。仮定をしてみないとその立場が判らない。これはほんの一時的ではなく、長期にわたってそのように見る立場を繰り返し試してみるのである。これは念じたり、訓練したりするのではなく、常識の範疇で普通に考えるのでよい。そうすると次第に感覚がつかめるようになる。常識の判断の中にあるときこそ、私達には直感が働くようになる。最初から強引に直感を求めるのではなく、普通の生活の中でよい。
新しい感覚や習慣には時間が必要である。まさかと思うことは時間をかけて、どちらが正しいのかを確かめる必要がある。長いときには10年、20年、30年あるいは更に確認のためには長くかかるかも知れない。今までの価値観を一旦外しておいて、転生を本当であるならどうなるだろうと真剣に考えるのである。新しいチャンネルを作ってみて、いい加減ではなく生命をそのように仮定するのである。すると少しずつ、周りの変化や人間のカラクリが理解（納得）できるようになる。日常生活の平凡な中で、少しばかり地球外の宇宙を同時に取り込めばよい。するとそうかもしれないという辻褄の直感が働く。このときもやはり自己の動機が問題であるが。
例えの事例として、小さい子供がそれなりの個性を持ち、大人になってさらに個性が出る。これは親達が教えたものではない。最初から子供が自分のものを、生来の特性を持っており、自然に出てくるのである。親が強引に押しつけた仕付けや習慣は、結局に身につかず、付け焼き刃となることが多い。自主性のない子はそのまま言われたことを受け入れてしまうが、そうでない子は反発し、我が道を行くようになる。
しかしこれを一旦、人の転生を前提にして考えると、これが逆に何でもない常識のように見えてくる。私達はこの状態を今まで〝常識”にしてこなかったので、混乱が生じたのである。混乱のまま原因を突き止められず、何千年も過ごしてきた。やはり直せなかったのである。
この原因は私達が自分の正体を自ら隠してきた（見つけられなかった）ことに他ならない。これを明らかにすることで私達は生きる、互いに住むこと自体に隠し事をしない公明な生き方を身につけるようになる。ここに到ると、「転生はあるのか」という質問は無くなり、当然という感覚で受け入れることになる。そして私達は遙かに進歩した生き方を身につけていると思われる。ここでやっと人間としての本来のスタートに立てる。
次に転生の物理的な現象の話になると思われる。私達は自称科学的な証明は好きである。またそうでないと納得しない。転生も科学的に説明できるのかと。
ところで私達は、よくこのように科学的説明という言葉をよく使うが、例えば地球は自転していることは、現代人は理解していると思っている。しかし厳密には未だによく知らない。ガリレオ時代のままかそれ以前である。ニュートンは重力を“科学的”に説明したが、実際には説明になっていない。彼はこのように「物体の運動は地球の数学手法で説明が出来る」と言い替えたのであるが、それ以上の重力の何たるかは一切説明していない。重力の根本原因も何処にも書いていない。これが実は私達の科学的説明なのである。数学を用いた証明は、重力以外にも多数の証明がなされた。宇宙は数学で出来ているという人もいる。
重力だけでなく他の自然現象はこのような説明でなく、さらに根源的な説明が出来るのだろうと思われる。今の私達の科学的説明とはこのようなことであるが、自画自賛してこれを当面科学的といっている。だがこの説明では地球の地表付近での重力の説明には利用できるが、地表から遠く離れた宇宙空間の重力の説明には通用しないようである。まだ学校ではこれを教えていないが。
このように地表の重力の科学的説明は今では実際大変である。これすら私達は本当の科学的な理解はできていない。同様に転生の説明も同じ困難に陥ってしまう。私達の自称“科学的”証明にこだわるならである。自分のこれまでの理屈にどうしても造り変えようとしてこだわる。これをあっさり捨ててしまって、飛び越えようとはしない。
また、自分の存在そのものを“科学的”に証明できるのか？ これと同じである。私達は自分の存在を前提にしなければ、ものも言えない。が、私達がこだわりの証明を抜きにすると、相当のものが説明できる。つまり謙虚に“科学的に”判らないものは判らないとして、諦め（諦念）を正直に持てばよいことである。
これまでの私達のこだわりの証明を一旦捨てて、その前に直感で納得、理解できるものを優先させることも必要である。理屈や科学的証明が先行するのではない。本来物事はすべて直感が先行する。感じ、納得、理解、フィーリングが先行する。私達の証明（科学的）は後からヨタヨタ付いてくるようなものである。これが人間の本質であり実態である。あるいは自然と私達のあり方と思われる。私達の本体（内に秘めているもの）は遙かに早く、深い理解を示す。数学的な説明する必要がハナからないようである。科学的証明を知らなくても、赤ん坊でもこの宇宙、地球で楽しく生きていくことが可能である。じつはこの態度が大切なのである。証明、懐疑ではなく、惑星を信頼、安心、で迎える、これが基本になる。
すると、転生を理解するのは、直感で感得するのが先行するという意味が解る。また「私達の理屈の心」が納得するそれ以上の証明はいずれ出来ると思われる。そのとき転生は「想念波のエネルギー」の移動というようなもので理解されるだろう。これは転生の原理が隠されている。というより宇宙の中では平然と、日頃この生命の移動が行われているということ。疑っているのは宇宙の中ではごく一部で、私達地球の頑迷な強い考え（精神とか心とかいわれる部分）だけである。私達は自ら大勢が日夜転生しているのに、肝心の本人達が全くその実態を知らないとは。
私達が本当に平和な生活をしたいと思うなら、この考え方、自分や人間の本体を真剣に考えるよう、自分自身を仕向ける必要がある。私達の科学的証明に拘り、頼っては、それはいつまでも不可能である。新しい発見といっては自分の功績を優先させ、「何々賞」が欲しいと願うような愚かな考えでは、それは到底叶わぬ夢である。今のように動機が三流のままでは、何も良きことは生まれない。まやかしものだけが優先され、それが大きな顔をする。宇宙の気持ち、本質を知らずに何が出来るというのか。他の生きものから笑われるだけである。
スズメは私達の身の回りに沢山いる。年中、人の周りにも沢山いて、人につかず離れず接して生活している。日照りが続く日や、寒い日は大変であろう。羽は持っているが手はない。不便だろうと私達は思う。がしかし彼らは私達のようにそのことで悩んだり、自暴自棄になったり、自殺などを考えることもない。いつも闊達で、群れをなしている。十羽から二十羽ほどで昼間は餌を拾い、夕方になると集団をなして寝床に入る。
他の鳥たちである、ハト、カラスとも生活圏が同じである。かれらはそれなりにルールがあるようで、この仲間では最も強いのはカラスで、次にハト、そしてスズメは最後である。残りの餌を控えめについばんでいる。かれら同士は時には残酷に見える行動もよくある。
スズメは人間に接近しているようで、しかし私達を近づかせない。非常に警戒心もあり、容易に私達になつくこともない。また私達に餌を要求することもない。彼らの餌はどうやら雑草の実や葉、虫を食しているようである。
ところで雑草は年中、いろんな種類が生えて小さな花や実を咲かせる。季節に合わせて色とりどりである。土中からは小さな昆虫も出てくる。かれらはこれを見繕って日ごとの食事にするのである。誰かに頼まなくても、年中メニューが変わって食事が出来る。よく見てみると実に小さなものにまで目が行き届いて、絶えずついばむ。だから彼らには餌の元になる雑草がないと困るのである。私達は目障りといって勝手に雑草をさっさと引き抜いてしまうのであるが。
ところでかれらはその餌が、あるいは寝床が明日はあるだろうかという心配はしない。する必要がないからである。また私達のように明日までの蓄えはあるだろうかなどの心配もしない。心配しないように回りの自然と同様に創造されているからである。その日の活動が出来るなら、それで安心してねぐらにつくことが出来る。明日の餌は大地の自然がキチント、メニューを季節代わりで、しかも栄養分を考えて用意してくれるので、心配無用なのである。安心している。そのような生き方であり生き物である。迷うことはない。明日も日替わりの新しい雑草の新芽が吹くだろうからである。また餌が少ないときもキチント我慢が出来る。人間のように怯えたりわめき散らしたりはしない。
また私達のように、誰かが余計に餌を横取りして大もうけをしようとして、余分な蓄えをするとか、盗んだりはしないかと心配はしない。だから富のアンバランスもない。法律を勝手に沢山作って相手を脅かしたりもしない。そのような駆け引きや武器は、なくても生きていけることを天性で知っているのである。実にかれらの生活態度はその意味で素直で、謙虚である。確かに他の生きものとのかけひきもあるだろう。私達はそれをみて生存競争だろうと、そのことだけを安直に判断する。正確には棲み分けであるのに自分たちと同じ、あるいはそれ以下だと人間が勝手に推測して、そのように決めつける。生きもの同士の仕訳や分であって、同居する生きものは食べ物、すみかについてはどうしても一部重なりがあり、キチントは区分できないからである。かれらはそれを適当に棲み分けしているだけで、ただ生存競争だけでそうしているのではない。なぜなら他の競争相手の生きものを、私達のように根絶やしすることはしないからである。そのような動機は私達のように持っていはない。人間はその動機を常に、あるいはしつこく持っているが、かれらは天から与えられた制御機能があり、それを超えることはない。私達が想像する弱肉強食の考えは、元からないのである。弱肉強食であれば地上は百獣の王であるライオンだらけになるが、そうではなくライオンは実は人間のせいもあって逆に少なくなっている。
ところで雑草であるが、これがまた不思議な生き物である。もちろん雑草だけでなく、木々もその仲間にはいるだろう。多くの植物のなかの一種である雑草は、私達人間からはあまり有り難がられていない。人間の栽培している農作物からすると大変に迷惑だからである。しかしスズメからすると、貴重な食料源のであり生きる糧の根元そのものである。人間好みの芝生や決まり切った植木、アスファルトの地面、お仕着せのワンパターン公園だけでは生活が出来ない。
スズメだけに限らず、野草は多くの地上の生きものの生きていく糧になっている。同時に雑草の下にある土壌は僅か数センチから数十センチの厚さ（地表面からすると薄い皮）であるが、これが微生物を含めた膨大は世界があり、地上の生きものを支えている。人間はその中の生きものの一種類に過ぎない。スズメより人間は進化しているなどとおかしな進化論を信じることは馬鹿げている。スズメの生活の都合も理解できない私達の考え方は相当に退化した、あるいは幼稚化した生き物に違いないのである。なぜなら雑草を含めた自然は、かれらと同じように生きる重要な糧であり、そのことをかれらは知っているが、私達はかれらほど体験をしておらず、十分に知らないからである。そして自分達でつくった別もの（偽物）の価値観を大変に有りがたかって（金銭、権力、法律、利絵など）、他の生き物であるスズメ達を全く視野に入れていない。
私達がスズメ達かれらの生き方に関心を持ち、尊敬が出来るようになれば、私達はかれらの仲間に入ることが出来るはずである。人間はもとからそのようなことを理解できる生き物である。昔は日本でも皆このことを十分に理解していた。今はすっかり忘れ、幼児教育で肝心な周りの生き物や、人間の付き合いかたを教えることを忘れ、その代わり子供に自国語も話ができないうちに、外国語などをしきりに教え込んでいる。これでまともに子供や人間が育つわけがない。根のない生活を幼児のときから子に強いている。人間の価値観がどっかに飛んでしまって、人間としての自分がなくなっている。原因は親たちがゾンビという化け物になったからである。ゾンビの生活は楽しいかもしれないが、ゾンビ以上にはなり得ず、そのままさらに退化するしかない。ゾンビは何でもありの生活となり、全く価値観は狂ってしまい、人間の自立できない生き方、自壊に向かう生き方である。一方スズメ達の生き方は、そのままで私達に生き方を明確に教えてくれる生き物である。単なるスズメではない。
「あなたたちは自分が何ものかの自覚が全く無いようですが、一体何処まで自分のことが見えていますか？」と逆にスズメに問われているようなものである。
単純な考え方である。それほど難しいものではない。動機として自分中心なのか、あるはそうでないかだけを判断する方法である。こまごまとした飾りはともかく、本質的な生きるスタンスが、自分はどちらなのかと問われている。
この問いには、私達は様々な言い逃れと言い訳が出てくる。それこそ数え切れないほどに用意されるのである。では何をもって比べるのか？ 勿論、相手は大自然である。ではかれらと私達を比較するのか？
自然は私達に、信じられないくらい大きな生きる意味、手段や糧を与えてくれる。同時に感じる機会を与えてくれる。私達がその気になれば、自然はあらゆるものの成り立ち、カラクリ、理由を教えてくれる。各人なりに判りやすく何でも教えてくれるのである。その自然がまさに私達の相手である。
自然は生きることに対し、私達のように哲学や思索（下手な）をするわけではないだろうに、生きる姿は完璧な哲人である。誰もかなわない。彼らには最初から悟りがあるので、私達のように迷いや間違いが微塵もない。悠然たるものである。そして自然に従っている人間以外の動植物が、みなその真理哲学に従っている。これを私達のいう「人間の哲学」などとおこがましく対比してよいのかどうかも判らない。
そこで、私達人間の弱さ、個人主義、迷いはなぜ出るのか、これは私達の中にその対面のもの（逆のもの）があるということも云える。つまりそれは強さであり、利他主義であり、共生であり、信念 ともなるものである。逆に言えばこれが確実にあるとの確信ができる。
私達はこの両方のバランスをとり、初めて自然の中にうち解けて、生きていけるのではないか。自分と自然を考え、迷うのは私達人間だけ、人間同士だけ、人間の集団だけである。自然や他の生きものは、そのようなことは一切しない。必要がないからである。勿論私達も植物や動物のよう生きることも可能かもしれない。しかしそれでは人間の役が果たせない。
人間には両手、指先、知力（アンバランスな）があるので、そのうちにとんでもないことをしでかす。その意味で人間は万能であり、思いつく限りの行動をする。ついには人間は惑星をも破壊することにもなろう。真の宇宙を知る知力を持っているのに、バランスを知らないために、それを知る前に周りの自然に対し破壊的となる。今のままではその内にトンデモナイ間違いを起こす。これは「必ず」そうなる。地球の私達は何をやっても、成功したためしがない。みなが失敗をしている。
これはほっておけないものである。本人が感づいていなければ知らせる必要がある。知らんふりして本人に勝手にやってもらうこともできる。しかし周りの一部の人間はそれができない。相手から恨まれても、やらねばならないことは行動するしかない。この意味が理解されず、迷惑がられるのが落ちとなることが多いのであるが。
人は元来がおせっかいなのである。困っている人を助けたいと思うのは誰しもである。しかし「助けて」とも言わず、困っていないと思っている人に、おせっかいはしない方がよい。それこそほっておけばいいのである。しかし必要となっている人々、少し理解できるかと思われる人には、それを知らしめることは最も重要と思われる。このときは知らんふりはできないのである。
ところでこのおせっかいを本当にやるべきなのか？ 誰のために？ ここが問題である。自分のためにやるのですか？ と。新興宗教などはこれによく似たことをやる。人は迷惑だと思っているのに、しきりにお手前の信仰を進める。相手の迷惑を考える前にそんなことはお構いなしに、強引に勧める。入信してしまえばこちらのものという感じである。これが本当に相手のためになるのだろうか？ これは単なるおせっかいか？ 単なる取り込みか？単なる余計なお世話か？ そして本当に必要なことだろうか？
勧める自分はそうだと完全に思い込んでいる。すると、自分は迷惑行為どころか、すばらしいことをやっていると思い込んでいる。この勘違いである。大いなる勘違い。この区別が付かない者には、その違いが判らないのである。よいことをやっていると思い込んでいるが、実際には一生懸命に、逆の努力をしている。本人は何も気付かず、とんでもないことに努力を傾けている。一体私達は昔から何をしてきたのだろう。
はるか先の話で、これを反省するのだろか。いずれにしろ私達の人へのお勧めは、これに近いものがあるのだろう。丁度これを書いているこの記事も、正にその一つになるかもしれないのであるが。
余計なことですよ。何十年も先に、何百年も先にしか判らないことは、結局ほっておけばよいことなのではないの？ ガリレオ事件のように。知らん振りでも十分ですよ。意味がないのではないの？ 恨まれて努力するより、知らん振りが一番ではないの？
ところが知らん振りは確かに楽であるが、実はそうでもない。逆に苦しいのである。自分が生きている理由というか、そのものが問われているという気がするからである。後で悔やんではならないと、後ろから自分を何かが突っつくのである。信仰宗教の勧めも同じように見えるが。その動機は一見して外部からは、どれもさして変わらない。
しかしである。迷惑であるが、必要なことなのではないだろうか？ つまり出しゃばりは互いに必要なのだと。これは人間の関わり合いの基本なのではないか。他人からみると大層に迷惑に見えるが、実はそうでもないのである。同時に生まれたヨスガ（縁）というものだろうと思われる。まったく違った時代であれば縁は薄いかもしれない。しかし同時にそこに居るということは確かな縁になる。好き嫌いは別にして、縁ができる。そこでおせっかいのもとなる。
おせっかいは相手の都合を一切顧みないものと、十分に相手をかんがみて行うやり方がある。これは動機の内容そのものになる。最も難しい自己判断である。普通は自分の行動は頭から良いことだと吹き込まれると、それを信じてしまう。自分の行動は素晴らしいのだと。
おせっかいは、このように迷惑と有り難いかのどちらかになる。勿論相手の受け取り方でもまったく異なるのであるが。そして特に自分の側の動機の自己チェックを十分に行った上で、私達は「大いにおせっかいをしよう。」
日常生活の中で、私達はともかく金銭的に採算が合わなければ、その行動は無駄と言われ、感じる。またそのように昔からしつけけられてきた。もって生まれた習性のようなものである。しかし金銭感覚のみを研ぎ澄ますと、周りと旨くいかないのも本当である。特に日本ではそうである。トゲが出て旨くいかない。
金銭感覚はありすぎること、また逆に金銭感覚が全くないのも困りものであるが、ではどうすればよいのだろう？ 本当は最初から金銭をみんなで無くしてしまうのが最も手早い。出来ることならその方がよい解決法なのである。つまり物のやり取りで、その間に金銭をなくし、何事も物々交換をするのが最も正しい。
別の項でも述べているが、「金銭ありき」は私達が生まれつきそれを使用しているから拘るのであって、逆に生れながら「金銭なし」の社会に最初から用意されているなら、金銭のないことは、当たり前のことであろう。金銭は知らなくても立派に生活できる。最初から金銭を知らなければ、逆に“なぜそのような無駄な金銭などの交換物を挟むのか？”と誰しも疑問に思うだろう。残るは互いの思いやりと公平な労働配分だけである。実に単純である。
では原始的な生活や、共産化をすればよいのか？ そうではなく特に精神的に原始に戻らないように注意するのである。私達の文明的生活は、精神的にはむしろ退化、退廃しているので、これを元に戻すのである。よく見ると私達の生活は精神生活を一つも向上させていないことに気づくはずである（それこそ一つも）。もし感じないとすれば、それは見過ごしたか嘘を言っていることになる。過去に共産化が旨くいかなかった本当の理由はこれに尽きる（他にも理由はあるが）。物のやりとりだけに注目し過ぎて、精神そのものの向上をすっかり忘れたうえに、精神の活動をことさら潰してしまったのである。今迄の共産化は、あらゆるものを目の前の理屈や唯物だけで、やたらこね上げてやり過ごそうとしたのである。精神の本質を知らずに封じてしまった。その結果、人々に極端な精神アンバランスを強いたのである。私達の文明はいつの頃からか、このバランスが極端にとれていないので、結局精神性の貧弱さが社会の破壊、破綻につながってしまうだろうということ。
共産主義とは逆に、物や金銭だけが強く絡むと無慈悲となり、更にしつこさを増す。この行き着く先が資本主義となっている。しかしこれも共産主義と同様に、すっかり精神性を見限り破壊させた（意識的に、自由奔放）。いずれも結果は同じことなったのである。そこに最後までしつこく残ったものはいずれも、暴力と強権、武力、精神の低劣化であった。もともと精神が瀕死の状態であった人間に、そこへ物質重視、金銭重視の奇怪な理屈をこねて、社会の混乱を招き入れた。今は私達の高度な精神性は一気にはじき飛ばされたのである。これを好む一部の人々には大いに気に入られたが、精神荒廃を早めた。もとから私達の中から、精神的に高度なものが出るのも難しかったし、私達も望まなかったせいもある。
確かに今まで精神性を高めた立派な芸術活動や文学、文筆活動などが多々あるだろうが、しかしそれでも自己満足型が多く、真の意味の汎用性が少ない。あるいは陰で金銭に媚びている作品となる。金があっての芸術となる。が、これまで金銭を度外視した芸術活動はいずれも惨敗に終わっている。貧困で死んでしまうか、よきパトロンを探し、彼等にかしずくしかない。精神性をうたった芸術活動はあまり育たない。
ところで私達はテレビをよく見る。テレビは立派な自慢の文明の利器である。しかしその放映内容たるや、惨憺たる内容なのである。誉められたものは殆どない。事件事故、ゴシップ、戦争、争い、人殺し、テロ、このオンパレードが大半である。そして数限りないコマーシャル、そして、画面の中で、二方に分かれた合戦をいつも面白がってはやし立てている。これをテーマにした劇や映画も日夜大いにもてはやされる。如何に戦いに勝ったかを、延々と自慢や説明、論評批評、戦法の解説などがあり、その自慢がいつまでも続く。そして深刻なニュースが突然流れたかと思うと、次の瞬間はコマーシャル画面がチャカチャカとひっきりなしに、節度なく買い物を勧める画面が出てくる。これを見る方は何とも思わない。放映する方はスポンサーから金をもらっているから、そんなのはお構いなしである。全く節度が無いし気にすることもない。気にすると放映の担当者自らが首になる。思いやりも節操もない。
これが私達先進国の自慢できる価値観と、精神性の支柱になっている。私達文明のお粗末な価値観の実態なのである。これはテレビだけの話だけではないのか？ そうではない。あらゆる物事がこの調子である。物質文化だけを追い求め、精神が何たるか、人とは何たるかを全く気にせず、忘れて追求もしてこなかった結末である。すべてはここ辺から始まるのに、肝心な探求を何もしてこなかったこの結末である。
売れればよい。儲かればよい。出し抜いて他の同業者を蹴散らすことが出来るならそれで、大成功という判断である。価値観はこのように最低のものになり下がった。一流企業であろうと、三流企業であろうと、ともかく一番になること、これは世界中で通用するものである。「そんなの当たり前じゃない」と誰しも思う。がこれは異常な状態である。なぜか？ 争っているもの同士にはそれは理解できない。戦争状態で真剣に勝負しているのであるから、そのような雰囲気は控え目は全くない。が、その争いから一歩引いて見ると、とたちどころにその異常さが理解できる。
しかもその争いのただ中にいないと、誰しも食い物にありつけない。この上に進化論や唯物思想、競争原理という空想の魔物が拍車をかける。これ以外のことを考える余裕なんか有りもしない。これが今の私達である。低レベルの精神状況が短絡思考となり、これに合わせざるを得ないのである。きれい事をしていると相手に食われてしまう。すばしこく、ずる賢い、あざとい者達に精神レベルを合わせて、みんなが同じ行動をするしかない。この乱痴気騒ぎには、昔から見えない裏方（大親分）がいるようであるが、彼等はいつも裏では、この様子を見てほくそ笑んでいるようである。
ここで合議や法律が出てくる。しかしこれは建前である。法律を絡めた同じ争いが延々と続く。法律の有り無しは見栄えがよいだけのことで、やっている内容は何も変わらない。素人には気づかれないようにしてある。立憲国家、民主国家であると自慢して、法律は星の数ほど作ってあり、その後も日夜せっせと作っているが間に合わないほど。これを取り締まる役人さんも山ほど増やしてある。そして役人になる方が得だと皆が気づき、誰しも役人になろうとし、そして役人天国となる。一体誰がまじめに働くの？
金銭や、すばしこさ、先回りの能力、成績の優劣を優先すると、このような社会にどうしてもなる。成功した者は少数側になるが、社会全体の出来映えとしては、これはとても立派とは言えない。お粗末の極みであるから。その歪みが沢山出るからである。多かれ少なかれ、どの国も抱えている問題である。日本は比較的少ないが、外国でも極端な差別、歪み、不公平がひどい国が多くあり、原因はみな同じである。文明の進歩の具合とは全く関係がない。パターンはみな同じ。さらに汚いものを綺麗なものにすり替えや化粧を沢山してある。このときに「精神性」というものが利用される。美化するために添え物として利用される。りっぱな造語をつけて飾られているのである。
結局、短絡した金銭の利権に大方が行き着く。私達のあらゆる行動パターンの原因は、そのことに帰結している。大小の金銭の取引きがあるが、さらに信じられない金額が表の金、裏の金の形で世界中を飛び交っている。金銭のための金融戦争である。世はこの非合法な金融が半分を占める。肥大化した化け物の世界である。これは正にキチガイ集団といわずにいられない。新興宗教より遙かに酷い中身となる。金銭崇拝は実にマジックである。それしか見ていないことは、気が狂っている博打場そのものである。私達の今の究極の生き様なのである。
これが本当にすばらしいですか？ そうは決して思えないでしょう、皆さん。何かがおかしいと気づくはずである。分かっていてもどうしようもない泥沼ではないですか？
確かに。しかしこれで私達は数千年あるいはそれ以上、進歩のない生活を繰り返してきた。よく見ると、どこも褒められたものではない。とても自画自賛などできる文化文明ではないない。ごく一部の者がより幸せになることは、自然に完全に反することである。これは惑星全体でみると、全くふさわしくない。見直す必要がある。異常な思想は必ず異常な結末を生む。
この文明を人類の発達した結果であると、自画自賛する人が大勢いる。これまでの文明を過大に評価し、人類の歴史を大成功のように言いふらす人々がいる。やっと地球全体を互いに結べる可能性のある「国連」というものが、100年近く前から現れたが、これが今でも全く機能しないで、明らかに見せかけであるのをみると、全ての国は真に地球のこと、人々のこと、人類のことを考えているとは思えない。常に手前味噌の自己主張だけを最優先し、共生を考える余裕などは何処にもない。
これを元に戻そうとすると、最初の議論である、金銭感覚の排除がその一つになる。金銭を無くしてしまう価値観である。新しく、あるいは初期の時代（はるか昔）に戻すのが肝心なようである。金銭感覚を養うのではなく、逆に無くしてしまうのである。これで私達は立派に社会生活ができる、一つの方法である。
今盛んに金銭の取引をやっているが、方法としてはいきなり金銭決済を無くしてもよい。物流だけにするのである。丁度今の取引をすべてを借金にしてしまい、一生の間その借金を互いに払わないで済ますということである。物流はそのまま流れるから。すると銀行決済は要らない？ 当然金銭の決済をしないので、銀行は最初から要らなくなる。お札も硬貨も電子決済も要らない。物流の管理だけ今迄通りに済ますのである。当然、皆の給料も要らなくなる。税金を国に収める必要がない。
当然、このためには金銭の廃棄のときの効率性を、皆が知る必要がある。また闇で金銭のカラクリを利用して大もうけしている人々などに、今までの金銭取引を一切を止めさせる必要がある。金銭の取引が全く無効であること、貯蓄も、利息も、へそくりも、要らなくなることを知らせる必要がある。いくら金銭を積まれても何も手に入らないこと、おにぎり一個が金をいくら積んでも手に入らないこと。何の効力もないことを知らせる必要がある。
また、実働のない働きは（不労所得）価値がありませんと宣言する。利息、金融、蓄財で、土地代や値上がりだけでは、生活は出来ませんと宣言する。では共産主義か？ ではない。今迄の共産は、物だけを追い求めた。物はつかんだと思ったが、それから先の見えない人間の精神性をすっかり忘れた。これでは本当の共産は実現しない。人間性を今のままでは自堕落が多く、不平等がどうしても発生する。いびつになるだけである。共産は理想郷を夢みたが、それを維持すべく裏では途方もない独占、強権、武力が主導していたのである。つまり共産主義も資本主義もいずれも、方法や言葉、表現が変わるが、結果は同じ現象を生むのである。
共産主義、資本主義のどちらにおいても、見えない人間の精神性を深く研究することは一切しなかった。むしろ精神の低次元化にいそしんだのである。金融はそのため一方では大いに栄えた。その方が真の支配者には都合がよかったのである。そして案の定、その両者ともに大きな紛争と、信じられないほどの物心両面での破壊を生じさせ、犠牲者を出してかつ、精神性はともに大きく退化し、多くのゾンビを生んだ。反省するどころか、それを見るのもおぞましいと思えるほどのことを無数にしでかした。この先もこのままでは精神性の建設的なことは大して出来ないだろう。やったとしてもたかが知れている。なぜなら基本方針が全く変わっていないからである。この中で研究される、精神性とか道徳性、芸術性、真実の追求、科学の発展、教育とかは、裏方からみると、目くらましにすぎない。人間の本質を理解しよう、真に研究しようとはしてないからである。
この本質の理解は難しいことではない。なぜなら、すべてのヒントは身の回りの大自然にあるからである。私達は自然から見るとその生き方が、あまりにも逸脱している。その意味で非常識なのである。あらゆることが自然の摂理に従っていなし、人間優先で得手勝手に過ぎる。
一つに今迄の地球の生活に嫌気をさしてきた人々は、他の惑星への移住が考えられる。今のキチガイ集団の人々をそのままにして、その場を放棄して移住するのである。これは地球の私達だけでは済まないし、移住する惑星も探さねばならないし、新しい宇宙船も要ることになる。本当は地球人同士で今のまま、地球で金銭無しの共生を実現するのが最もふさわしいが。実現出来るなばそれがいい。こうなると今が瀬戸際になる。
つまり地球の人達の分裂である。新しい惑星で生活を試みる人々と、そのまま地球に居残る人々である。もう一つは地球内で二手に分かれて生活をする方法もある。つまり地球の生活システムを完全に二つに分ける方法である。民族関係無し。実際にはこの方法は困難になることが予想される。今迄のように金銭のある社会と、全く金銭なしの社会である。完全区分が実際には出来なくなる恐れがある。決まりも法律も全く異なるので、その境界破りが多く出て、始末が負えなくなるからである。共生のシステムは、今迄の金銭ありの社会とは混在が困難であろう。身勝手な者が直ぐに表れ、統率が全く効かなくなろうからである。共生の中に、今迄の競争経済システムを持ち込んで、共生を直ぐに破壊してしまうかもしれない。武力で直ぐに支配してしまうかもしれない。強制社会が全てを乗っ取ってしまうだろう。これでは共生は成り立たない。今まで私達は多くの破壊者を育ててきたから。
地球内で一気に共生を始めるのは相当に困難がある。徐々には出来ないのか？ 三々五々に共生を初め、徐々に増やしていく方が平和的かもしれない。これが出来なければ、先ほどの他の惑星への移住計画である。この時は希望者による移住となるだろう。この計画は地球全体をも考えてのことである。地球を破壊させない為である。だが本当に破壊を防げるだろうか？破壊者をそのまま地球に残しては破壊は進むのでは？ 同時に太陽系全体のことをも考えてのことであるが、破壊者を残したままでは同意にもならない。地球を逃げた者達はそれで良いかもしれないが、残った同胞は遂には何をするか解らなくなる。地球混乱はそのままである。このまま地球が金銭経済を放埓に進めると、地球を全く考えない更なる行動を私達は始めるからである。歯止めは既に無くなっているだろう。
解決の糸口は、どうしても地球人自身の精神改造に手を付けなければならないようである。地球のキチガイでもどうにかしてまともな精神活動が出来るように矯正するしかない。これが最終目的で、手抜きは出来ない。この対策は地球人だけでは手が付けられないかも。そのようなレベルにはないようである。元々地球への私達の移住は、他の惑星に大いに関係があったからである。移住者は自ら望んで地球に来ている。しかしその初期の目標からは実際には今大きくずれ、踏み外してしまっているである。破壊的に、自分勝手に物事を初め、止まらなくなっているのが現在である。自然と人間を分離したままであるが、この責任はもちろん私達自身になるが、私達の失敗は自ら見直す必要がある。ではその方法は？ 誰に聞いたらいいのか？ 私達自身か？ もっと適切な方策を知るには？ これは誰しも逃げるわけにはいかない。本来は自分自身に問うのが良いのであるが、キチガイ自身に真面になるように促しても、おそらく無力であろうことも理解できる。
方策は、地球人で何かが出来るようなレベルではないかなら、高位の精神性のある人に適切な助言を求めること、これが一番と思われる。地球では誰もいないと思われる。居ても私達が信用しないだろうから。すると他の惑星では近隣惑星となるが、この適任者は沢山居ると思う。しかし二千年前のイエスの例になっても、同じことの繰り返しとなる可能性がある。直ぐには彼らもこの対応しないかもしれない。あるいは他の方策を教えてくれるかもしれない。当面、彼らの意見を率直に聞いたらどうだろう。
私達は理性的という言葉をよく使う。がこの理性とは、大方自己主張の裏返しのものであり、誰しも互いに許せるものではない。自分にしか通じないローカルな理性であることが多い。これを互いに感じているので、議論が沸き出す。議論にもっていって我が方が正しいかを説き始める。いずれも如何に冷静に理性的だといっても、自己流であることには変わりがない。我田引水そのものである。
私達の実社会ではこの段階の議論が圧倒的に多く、これに終始する。この議論に打ち勝ち、相手を納得させないと生きていけない。あるいはあっと驚く抜け出しの技法で相手より先に出て、やり返すしかない。みな必死である。その方法しかないと思い込んでいるから。実際には他にいくらでもやり方はあるのに、目の前のやり方に互いに必死に拘っているのである。またこの拘り、あるいはルールをよく重んじるものである。全くルールを無視する民族も大勢いるが。ルールは理性が要ると言うことになる。しかし私達の理性は、いつ激怒に変わるか判らないし実に不安定なものである。誰も保証が出来ない。いつも危なっかしい理性の綱渡りの状態である。化けの皮はいつでも破れる状態である。法律と云われる約束事もこのレベルの作り物である。法律論争に持って行った時点で、信頼関係はグチャグチャに壊れてそれでお仕舞いである。法律は破廉恥となった時の最終防衛策である。
では化けの皮が無く、公正で我田引水でない方法とはどのようなものか？ 言っている本人だけが都合よくなるのではなく、皆のことを最優先に考えることに尽きる。これは誤魔化しても成功しない。逆に世には大変にしたたかな者たちがおり、自分の真の目的をひたすら隠し、表は皆のためにという美麗字句を並べる者もがいるから、十分に注意しなければならない。このレベルは非常に範囲が広く、身近な子供だましから、巨大は世界的謀略まである。しかしいずれはばれる。
本当に相手のことを思う者は、いつまで経っても化けの皮が剥がれない。最初から誤魔化しの皮がないから、剥ぎようがないのである。ボクトツかも知れないが、これは見た目だけでは全く区別がつかない。彼自身は自分をよく見せようということも無いので、周りはそれとは気付かないのである。まさに私達に重要な宝は、常に見過ごすのである。滅多に目にしないからでもある。しかし確実のこのような人はいる。
この点は、地球を見捨ててはいけない大きな理由でもある。宝はゴミのように捨ててある。しかし見る者が見れば、直ぐに気付くようにしてある。気づかない者は、如何にヒントがあっても、それを平気で踏みつけて行くものである。そして思い通りにならない、住みづらい、俺のせいではない、などと大きな声でわめいている。私達には本来、理性というものは持ってはいない。あるのは前述のような偽物の理性や、すぐに激情に変わる理性が多い。
では私達がいうところの、本当の理性とはどのようなものであろう。体験からすると、自我を高めるものではないことは判る。自我から吹っ切れたものになるようである。自分の自我や自分の都合を優先したものでないもの、結局私達にはその主張が表に出ないと思われる。自我がなければ意見もなくなるからである。それほど私達の自我は強い。すると相手に全てを譲って何かが出来るのだろうか？
私達でも、さして訓練することもなく、すばらしい感覚を持つことが可能なときがある。例えば別項でも述べている、「宇宙空間の感覚」である。実はこれは普通の地球人が、その感覚を持つことが証明されたことを示している。つまり場所さえ良ければ私達の通常感覚で優れた能力を、一時的に出すということである。
地上で普通の状態であれば、私達は化けの皮を被りながら、理性をかろうじて保った姿にしている。この限界を過ぎると皮が剥がれる。そして争いになる。しかし私達が一旦、宇宙空間のあの感覚を知るなら、本物の片鱗（自分の中だけでなく汎用なものを含めて）を知ったことになるので、そうはならないのである。つまり本物の一部を知った者は、基本的に感覚、行動が大きく変化する。大事なことは体験として、その何かを感じているかであり（フィーリングの体験）、私達の偽物の理性というものの限界をよく知るからであり、そこで別ものの良き判断が出来るようになっている。今までの古ボケた理性ではなく、真に宇宙的に遜色のない理性を身につけることが出来る。この理性は嘘がつけない、お見通しが出来るものである。しかも個人差が今みたいに極端なものがない。バランスもとれたものになる。
あるいはこの感覚は慣れないと、今の地上の私達の周りでは大変に苦痛になるかもしれない。すぐには無理かもしてない。しかしすべての解決の兆しは、これを乗り越えないと見えてこないだろう。私達は不可能ではない。可能性が確かにある。それを確認する方法、情報も今では私達はこのように手にしているのである。ごく一部であるが。しかしあることは間違いない。私達はその瀬戸際にある。どうしますか？
この辺にくると、下手なオマジナイや、今までの価値観はおかしくって、だれもその教えを聴かなくなるだろう。本物を知ると人は変わる。激変する。このとき私達は「理性的です」とか、今までの嘘いっぱいの言いぐさは、恥ずかしくってもう表に出せなくなるである。化けの皮がきれいにはげる。そして私達は本物が何ものかを感じる。あるいは覗くのである。意外な方法でそれを知るようになる。つまらぬ主義、金銭、プライドに惑わされなくなる本物の方法。誰でも出来る、共生の基本になるもの。やってみませんか？
転生は私達には解りにくい。転生を知らなくても日常の生活は出来るので、気付きもしないし疑問にも思わない。しかし大きな挫折や困難に遭ったときにこの問題に少しすれ違う。だがこれはカスル程度である。転生があるとすれば、自分は生まれ変わりでどうなるだろうかと。
よく冗談で「今度、生まれ変わったら○○になりたい」と言うものである。この発想はただの冗談ではないようである。これは私達にとっては実は正解であり、私達は確実に生まれ変わるし、誰でもそうしている。ただし他の動物とかに生まれ変わるのではない。明らかに人間そのものに生まれ変わる。これは誰しも例外ではない。
ではなぜ「人は生まれ変わる」といえるのか？ 私達は今までこれを確信がないので、冗談のつもりで言っていたのである。人はこの地上に生まれて、無意識に生きる努力をする。なんとか生きようとする。これは誰にも説明できない天性のものである。そして人に言えない努力、我慢をしてきた人が無数に居る。それなのに、死んだらみなおしまいというのは、実におかしいのである。はっきりいって今までの努力は 「はい、全部無駄でした。」ということになる。
ところで宇宙は確実に継続しているし一瞬も無駄がない。見えるもの見えないもの全てがそうしている。私達人間は宇宙の活動の一部ということには変わりがない。であるのに私達の人間だけ、その一生で無駄な努力をしているとは考えられない。何かの意味があるはずである。たとえどのような私達の行動であろうとも。宇宙は私達を含めて、無駄はしないのを認めることは、私達にとって重要である。私達は宇宙のほんの一部であって、人間もその宇宙の活動の中に組み入れられているはずである。であればほんの一部でも無駄があるはずはない。私達が無駄だと言っているのは、自分の手前味噌で短絡した、あるいは勝手に見限った、単に個人的な狭い意見に違いない。
生きることは全て、誰しも無駄ではない証拠、その一つが転生と思われる。但し我が地球で今生活している間に限るならば、これはさっぱり見えない。これまでの価値観で縛られたままではそれが理解できない。しかし地球の束縛から解放れると、このことがよく解る。 つまり、人が次の準備をし、そして転生をしていることがである。進化論とかいうおかしな理屈をわざわざ持ち出さなくてもよいのである。
残念ながらこの転生というものは、ごまかしが効かないようである。転生は一瞬であるので、もたもたご都合を並べている暇はない（霊界の話やエンマ様への言い訳などは要らない）。そして死ぬときの用意をするまでもなく、今までの私達そのまま（本体の魂）が瞬時に次の人生（新生児）に引き継がれるようである。そしてそのときの生命に対する理解度、自然に対する理解度などがそのまま継続される。当然、人に対する日頃の態度も、今までのものが全て持ち越される。今さら上品ぶったり、お化粧をしたり、立派な勲章をも貰いました、今までいっぱい財産が貯まりました、沢山の地球の知識を覚え、沢山の資格を持ちました、知名人ですといっても、転生にはこれらが全く役にも立たない、地上で自慢する雑多なものは一切持ち込めない。
生まれ変わったときにどうなるか、これは新生児の誕生で私達が日頃見慣れた情景である。その子は既にキチント過去の歴史を持っている。その子独自の長い過去を持っていると思えばよいのである。そのように知った上で新生児や幼児を見ると私達は必ず「なるほどこの子は誰でもない、その子独自の命だ」とよく理解できる。少しその子の意志や癖が出る頃になるとさらに、そのことがよく理解できるのである。それを見る親の私達自身も、そうやって生れ変わってきている。これを知らずに、その子を自分の思い通り育てようと目論む親が実に多い。確かに親の思い通りに、進んでくれる子供もいる。これも不思議ではない。無理なく親子が意見合致するなら、これに超したことはない。しかし逆の方がむしろ沢山ある。
私達の目的は、むしゃらに生きることではなく、また勝手に今の都合で死ぬ（自殺）ことでもない。そのようなことは大した意味は持たない。それより私達に重要なことは、生きている今ある瞬間の態度や、行動の動機が最も大切なような気がする。これをレベルアップしないと、同じ境遇にまた生まれる。元も木阿弥である。これが厳しい転生の現実のようである。嘘をついて転生をするのではない。その人の裸のままで転生するのである。このときは、あなたには誰もついて来てはくれない。保証人や保護者も財産も、生まれ故郷、国、民族など、これらはなしで完全に裸の個人で、地球を含めた中で宇宙的になされる。
「今の自分の境遇は誰が選んだか？」 私達はよく自問自答し、境遇に不満があると、「頼みもしないのに親は俺を生んだ」と親を恨みに思う人もいるようであるが、これは完全な勘違いである。今の境遇を好きで選んだのは、第一に本人そのものである。確かに生まれてくる場を用意したのは親の責任はあるものの、正確にはその境遇を自発的に選んだのは、本人の責任が最も大きいと思った方が正しい。大きくは地球の何処で、どの国で生まれようと、たいした差はないかもしれないが、基本的にはそうなる。
つまり生まれた本人の責任はどっかに自ら忘れて、私達は都合の悪いことは、他人の責任にしているということになる。例えば根っからあまのじゃくの人（無責任な野党などに多い）が、大騒ぎして何かの社会運動を若い頃から熱心であったり、常にわめいて何でも反対すること、やたら周りともめて罪を犯すことなどの真相は、ここら辺にある。真相部分を本人も周りも全く理解していない。しかし誰かにこれを言われて、冷静になると心当たりは少しあるかもしれない。結局生まれた環境は誰の責任でもないと。ただし謙虚さが少しでもないと、このカラクリがさっぱり理解、自覚ができない。この手合いは全部が他人の責任だと、一生わめくのである。
このことは実は個人で起きるし、国のレベルでも起きる。あるいは惑星単位でも起きる。そう見るとこの地球で行われていることが綺麗によく見える。学者先生のように起きた年代の事件を苦労して分析するなどは、あまり要らないのである。転生のカラクリは実はこの法則の通りになり、嘘はつけない。
転生の証明は自分自身で出来ることである。しかし横着なままでは、このようにいつまでたっても自分のことが理解できない。が謙虚さを次第に身につけるようになると、転生に対し抵抗はなくなる。私達人間は本来、宙的に出来ている。しかしどうしても他の惑星（地球以外）となると、とても信じられない。そこで地球だけの生命という狭い範囲で、自分や他の生きものを考えるようになったのである。当然自分では転生も説明出来ていないし、理解できない。自分を第三者的に見ることが、さらさらできないからである。
つまり私達は地球だけの考えで、プッツンしている。これでは互いに近所同士で争いが絶えないはずである。目先も利かなくて、何でも揉める。朝から晩まで互いにひやひやで生活し、みな短命（わずか80歳位で）で終わる。一瞬先は闇ですと常識のように誰もがいう。政治を扱っている本人ですら口にするのが当たり前である。このため当然のように、個人のレベルでも、家族内、民族内、国家のレベルでも同じこと起きる。
宗教では転生の意味づけを種々やってきた。そして宗教は死に対して多くの格言や迷路を専門の方々が大衆に提供した。が、肝心な点は言わなかったし言えなかった。本当は知らなかったのが原因。この真実やそこからくる知恵については、すでに遠い昔に先輩達が忘れてしまっていたので、今まで私達も回復できなかったのである。
ところで現在、私達の身の回りには電波による信号が無数に飛び交っている。しかしこれだけではない。同じように昔から人間の想念波（または電磁波）のようなものが無数に飛び交っているものと思われる。この電磁波は私達の生命力そのものにも適用されるもので、私達が今知っている電波も生命波によく似た波の一種だと思われる。仮に生命波とすると、そのものは地球内はもちろん、他の惑星にも飛び出す能力のある高周波エネルギー波の一種であると思われる。
これは地球から出て行くものもあるし、全く内側にとどまって渦巻いているものもある。丁度、私達が通信で使っている電波には、電離層と地表面との間で反射しながら、地上の裏側まで運べるもの（長波）と、電離層を突き抜ける電波（短波）があるのと同じ現象のようである。近い将来、地球でもこの未知の生命波、想念波を検知できる機械が出来ると思われる。生命の本体が肉体から抜けると、肉体そのものは電気的エネルギーがなくなるので、そのまま地球で腐ってしまうものの、生命の本体（魂、エネルギー）は肉体から離れて、電磁波の形で瞬時に移動する。この現象は私達がよく知っている「エネルギーは無くならないで移動する」という不滅の原理に近い。これは誰しも自分の生命体も含め、同じようにそうなるのであって、宇宙空間では珍しくもなんともない現象のようである。人が死ぬことは日常茶飯事である。同じように子供が生まれるのは、何でもないこの反対の現象になる。誕生の現象も見ての通り日常茶飯事のことなのである。
ところで子供を見たときに、すでに幼少の頃からその子の特別な、能力、癖がある。親が教えもしないのに持っている癖そのものが、生まれた持ち込みのものである。見えない財産ともいう。よく見るようにしたらよい。親とは直接縁がない性格、能力を持っている。もちろん魂本体そのものが親兄弟とは全く異なる。似ているのは身体に関する細胞遺伝子レベルのことだけである。中身は完全な別人格で、独自の過去を持っている大人なのである。肉体は子供であるが、中身は親と全く対等と思えばよい。あるいは親以上の優れた特徴を持った子供も沢山いる。逆もあるが。
またこの場合に、転生で移動するこのエネルギーは、大方二つのものがあるように見える。私達個人はすでに過去世を含めて、自分のことをよく知っているようであり（過去の全記憶の秘密がある）。この記憶は生命エネルギーのうち、母性側にあるもののようである。またそのほかに私達が知る、例えば個人の感じ、性格、特性というものがあるが、これは転生するもののうち、個人識別の父性にあたるもののようである。これらを併せると、私達にはまだよく理解できない、波動のエネルギーの本体そのもののようである。これらが一体となって究極の私達の本体（魂）になる。この父母性含めて私達は転生すると思えばよい。つまり固有の記憶と個性特徴を持った不可視の生命体である。
このように転生が現実になると、私達の生命は死んだらおしまいなのではなく、長い生命活動の一端を、この地球で生活しているということがいえる。すると死んだ人は、今の惑星や他の惑星に生まれ変わって生きているということは、同時性としては常に私達が宇宙全体として、互いに生きているということもいえる。死んだ人は過去の人で、永久に逢えないと私達は思っているが、直ぐには会えないものの、何時の日かの再会は不可能ではないと言える。つまり同時に過去の人も過ぎ去ったことではなく、常に現在としては何処かにその人の実態が、生きているということである。今までの私達にとっては、過去は捨て去り忘れてしまいたいのであろうが、そうではなさそうである。
ここで過去の生活に強いて縁をつなごうとするのは、今の私達にとっては逆効果かも知れない。あまり干渉しないのがお互いのためであろう。そのための他の惑星への転生しているのであるから。ただ過去のカラクリと現在を知ることは、自分や他人を見る目を全く違うものにし、大きく成長させる。争う必要のない些細なことで、日夜紛争をしていることが、如何にばかげているかを、具体的に明らかにしてくれるし、転生のカラクリは私達に、今何をしたらよいのかを的確に教えてくれ、しかも前向きな情報が得られるからでもある。
転生を少し感じられるようになると、私達は日頃の争いがばかばかしくなる。人間同士の日頃の駆け引きの意味が無くなるのである。そして日頃何を目標に生活すべきかが、次第に明らかになる。中身そのものはそれぞれ個人で異なる。みな同じではない。長い各人の体験（転生を含めて）の中にそれがあるから、一律に生き方も決められないのである。が、大方の方向性は転生を知ることで誰しも解るようになる。その意味で考え方がより単純明解になる。今までのように、込み入った難しい駆け引き、争いをいつまでもやっているもの これら大方が要らなくなるので大変にシンプルになる。これは子供でも理解できる内容にきちんと各人が整理ができる。これが本物の証拠になる。
子供でも理解できない内容は、何事も本来正しくなく邪道である。子供に隠さなければならない事柄は、本来必要はない。私達大人は地球での約束事として、子供達に対したくさんの決まり事や隠しごとをしてきた。恥ずかしくてまともに言えなかったのである。
転生を知るなら大人、子供の区別が無くなる。互いに長い過去世を持っていることは、私達がこれまで感じている少しばかりの互いの年齢差が、全く意味をなさなくなるからである。つまり今生まれてきた赤ん坊は、すでに多くの体験をその内部に積み重ねており、大人として対等に扱うべきということがよく理解できる。私達がよく「子供扱い」ということをしでかしてきたが、これは子供の頃から出来ないという意味になる。常に人は本来対等な大人であることが理解できる。このことを知っている人は、昔から子供に失礼な態度をとらず、大切に扱っているようである。
転生の話は、今から百年前、千年前あるいはずっと以前から「たわごと」として一般には受け入れられなかった。それこそ宗教の中では珍しくもなかったが、しかし現在は不可視の力を、私達は沢山知るようになった。見えない力、例えば前述の電波や電磁波である。これは見えない力や、想念、映像を運び、日夜大量の情報を運んでいる。電波そのものが何ものかは専門家をしてもよくは分からない。しかし電気を規則的に回路に流すと電波が回路の周辺に出ることを私達は知ったのである。同時にこの見えない力は私達の想念の一部（視覚映像、音声）を伝える道具になったのである。当然、電波に変換しているが、またそれがエネルギーそのものでもあることも分かっている。
私達の生命はある部分が電波（電磁波）にも似ているのではないかと、私達はほんの少し気づき始めている。私達が自分の生命本体に自前の科学の延長で気付くのは、それほど遠いことではないかもしれない。但し私達の研究動機そのものを同時に良き方向に、変換することに先に気付くなら良いのであるが。
私達の身の回りでは破壊的な言動が多い。この破壊、攻撃的なものは私達を前向きな雰囲気にはしてくれない。破壊は次の破壊を生む。その替わりに破壊をやめて優しさ、思いやり、建設的、道徳的な行動をとるならば、物事は前向きに確実に進むものである。
優しさとは何をいうのかは説明が難しい。定義はともかく、今の私達がよくやっている相手への攻撃、破壊をやめ、相手を徹底的に思いやる行動をとれればよいと思われる。丁度、赤ん坊をあやす時に抱く私達の気持ち、これが優しさである。この行動とはすべてに通じるもので、それは謙虚さにも通じるし、優しさでもある。この方法は大自然の優しさと同じである。自然の私達に対する行動や態度をよく見ることである。かれらは私達のように余計な理屈をくだくだと言わない。私達のように押しつけがましいボランティアのようなことも言わない。しかし自然は肝心な行動は敢然として行うのである。かれらは手抜きはない。徹底的に自然は地上の私達生き物に一貫して優しいのである。
このように私達の行動の規範は大自然になると思えばよい。けっして優れた指導者、偉人などではない。特定の人ではない。発明者でもなく、あるいは宗教の教え、宗教者、政治家、実業家、いさぎよい戦争屋でもない。大自然のこの教えは実にそつが無く、私達がなんと言おうと、道徳的で優しさに溢れたものである。私達は指導者を昔からこの自然そのものの中に多く感じていた。ただ私達はしっかり、それとは気づかなかっただけである。
大自然は、私達の身体の中にも生まれたときから住んでいる。私達の身体は自然の分身であり、抜けられない。身体の外も自然である。つまり自然だらけなのである。身勝手を言っているのは、その自然のごく一部である私達身体のなかに住んでいる私達の「心」と「口先」の部分だけである。この部分が「不道徳や破壊」を発信する。これ以外に不協和で障害になるものはこの世にない。原因はすべてそこから生じる。これは誰しもが持っている傲慢さであり、道徳心と謙虚さの真逆になるものである。いまさら詳しく説明の必要のないものである。（〝心”については アワのこと-2 "人間の本体はどこにある”を参照）
金銭や生産性だの、勝ち負けだのと、単純な価値判断で日夜生活していると、私達の「心」の部分はこれにすべてが振り回され、自分が自然の中に生活していることをすっかり忘れてしまう。特に人間同士だけに注目し、その反目、競争に異常に集中し、周りの自然に目を配ることが殆どできない。人や社会に対し見栄えを良くし、落ち度無く生活すれば大成功という価値判断だけがはびこる。そして短絡した生活でそのまま一生続けるようになる。考え方は単純、そのため道徳心は薄弱のままである。つまり恥ずかしさを忘れ、自分の利得、勝ち負けだけに集中して努力する。あるいは常軌を逸したプライドを周りに披露しながら生きる。この人に対し、社会全体も何も批判しない。そろって誰も似たようなことをしているからである。道徳心そのものは僅かしか持っておらず、金銭的余裕がすっかり出来た後で、自分達の飾りや見てくれが気になり、立派そうに見せる小道具や、社会貢献に興味を示す。これを今ではボランティアなどと言っている。
このガツガツした生活は、私達を互いにますます生き辛くしている。なぜなら誰がみても同じような価値観で生活をしており、皆を差別なく面倒をみようとする人が極少だからである。あとは権利であるとか法律であるとか、ボランティアなど、どうしようもないものを持ち出して延々と争いを始める。最初から道徳心、思いやりがあれば一瞬に解決できるものごとを、一生争いごとを死ぬまで続ける。その努力は立派かもしれないが、瞬時に解決することを、膨大な努力に力を注ぐことは愚かなことであり、知恵ある者が行うことではない。あらん限りの知力を振り絞って、自分の言い分が正しいと言いくるめなければならない。私達自称文明人はそのために大変に忙しい。同時に持ち前の道徳心を大いに貧弱なものにしてきた。
優しさは前述のように自然の活動そのものである。私達も他人に対し優しさを持つが、これは大自然が私達人間に対し「大きな優しさ」を持つことを知っているなら、本来当然のことである。なにも目新しいことではない。まったく当たり前の行動に思える。人と人が優しくすることは当然のことであり、自然な行動なのである。このように万物は自然の法則で構成されており、それ以外ではないからで、人体、人間そのものも例外ではない。
ではなぜ、私達は他人や知らない人を傷つけたりするのだろうか？ 隣人も他人もすべて自然な生きものである。それを攻撃するとは何事であろうか？ 本来はとんでもないことである。自分を傷つけていることと同じである。なぜなら自然は自分であり、他人も同様で例外はないからである。
私達は自分と他の生き物を明確に区別しているのであるが、元からある他の生命との一体感を、いつの頃からか忘れてしまっている。区別しすぎて自分が何者かをすっかり忘れてしまった。他の生きものは、そのようなことは起きない。大自然に常に即しているからである。私達人間だけが例外で、下手な知力があるために勝手な行動を起こしている。他人を競争相手、あるいは敵と見なしている。あげくに自然に対しても敵と見なしている。完全にこんがらがっているのである。こんな状態で仲良くしようなどと言って互いに生活できるわけがない。私達には「優しく」できない立派な自己都合がその根幹にある。
この大きな原因の一つに、金銭社会のひずんだ社会が昔からあるためでる。あるいはやむを得ず金銭社会を作り上げた結果かも知れないが。逆に言うと、私達の精神レベルにふさわしいのが、金銭社会になったのかも知れない。金銭が絡むとやさしさは無くなる。自然を見ても無用になるのである。たしかに割り切りは金銭が実にふさわしい。しかし逆に金銭を無くした付き合いは、ギクシャクや割り切る必要が無くなるのである。金の切れ目が、縁の切れ目になることもない。そこでは共生と優しさが基本になる。
金銭が無くなると、生き甲斐が無くなる、張り合いが無くなると言うかもしれない。しかし無い方が遥かに効率よく、人を幸せにすることがはっきりしてくるだろう。なぜなら生きる基本が狡猾さ、すばしこさ、ではなく本質は「優しさ」であるから。
ともかく私達が見習うべき規範はもっぱら大自然である。これ以外に適切な教師はいない。そのために用意された自然である。これを利用しない手はない。しかも私達の身体と同じ材料で出来ている大自然なのである。理解できないはずはないだろう。
ところで自然は本当に優しいのか？ 大災害が起きて、大勢の人が亡くなることがよくあるではないか？ 本当に優しいのであれば、このようなむごいことを自然はするはずがない、と私達は思うだろう。実はこれも私達の大いなる勘違いである。大災害時には自然は、事前にキチンとサインを周りや私達に出すのである。それはそっと知らせてくれる。大騒ぎしない。そのサインは過不足なく適切に出してくれる。私達は自然に日頃関心を持っていないので、そのサインすら全く気付かない。ならばどうなる？ 人がみな災害の犠牲になるのは当然である。本来自然が知らせるときは、私達は謙虚に事前の僅かなそのサインに気づき（事前予知）素直にその際は、急いで一時的にその場を逃げればよいのである。ほんの少し避けるだけでよい。自然はそのようにしろと、親切に知らせるのである。
このように横着な人間はそれすら気付かず、災害時には、間違いなく逃げ遅れる。そして大災害になってから大騒ぎになる。これは誰が悪いのか？と問い詰める。それは私達自身に違いなく。例外なく常に人災である。天災ではない。それを大騒ぎするとは、本当は実に恥ずかしいことなのである。私達にはそもそも謙虚さが自然にも人にも全くない。だからその当然の結果（無知の）を受けるだけのことである。私達は知恵者ではない。今のままでは愚かなだけである。知恵ある者は大自然の方である。
地域貨幣というものが少し流通しているようである。小さな地域内で私的に通用する貨幣である。これはよい方向であると思える。なぜならこの貨幣は単純な交換貨幣であり、現在の通貨のようにいびつに「高度に進化した貨幣」ではないからである。高度に進化した貨幣は、昔から利息などがついて魔物のように多くの人を縛る。多くの金融遊び（金融商品）の対象でもある。しかし原始的な地域通貨はこれより遙かに私達を人間に戻してくれる。
欲を言えばこの地域通貨を実は、次第に全く無くしてしまうのが正解である。
これは金融の退化ではなく、逆に確実に精神的に進歩である。なぜなら私達は今まで精神的に明らかに退歩してきたからである。おつきあいの中で誤魔化しを必要としないことは、金銭が必要でなくなったということ。金という換金物に執着する必要のない生活である。ではその後どうなるのか。金銭を一切考えないのであるから、本論が先に来る。駆け引き、誤魔化しはそれほど意味をなさなくなる。駆け引きが大きな重みを持つのではなく、その先にあるお付き合いが重要となる意味。
つまり金を儲けた、損をしたなどの話が最初からないので、人の本来の面白みが倍加する。私達は逆に博打で儲けるというのが大きな魅力になるだろうが、これを遙かに先へ越えた生き方になる。つまり物々交換のステップアップした生き方なのである。夢物語ではない。現実にこのように駆け引きしない、金銭が全くない社会は実際にある。この社会が圧倒的に、地球以外のこの惑星では多いのである。私達が知らないだけ。まるで私達は想像できないだろうが、逆に他の惑星では、わざわざ物事を金銭に置き換えるような馬鹿げた生活は全くやっていない。私達の金銭を介した生活は次第に複雑となり、その貨幣のお化けである「複雑な金融」が民衆を縛ってしまうという、仮想ごっこの生き方が、実は大変に異常な生き方なのである。今まで私達はこの貨幣のない生活感覚を全く知ることがなかったし、想像することはなかった。貨幣が出来て以来、複雑になることはあっても、無くなることは一度も知らされなかったのである。
そして長い地球の生活の間に、いつの頃からか貨幣が常識となった。貨幣や金融といわれるものが権利を持ち、多くの人々を強く縛るようになったのである。この地上では人間だけがこの金融化け物に追い回されて、ときには自殺や他殺に追い込まれることもある。他の生きものには理解しがたい不可解な生きものに見える。人間は本当に不自然で、気もそぞろであり金に追われた生活を必死で行っている。私達人間だけは気が狂っているのは間違ない。
今の異常さを正常に元に戻した状態で、他の惑星との付き合いを、そろそろ始めてはどうかというのが、ここでの提案なのである。他の惑星の彼らは最初から金融というものはない。合理的な物流のみがあり、過不足なく必要用品が行き渡るようにシステムをとっくに作っている。金融や、利益、暴利、利ざやを目的とした、物流そのものにうつつを抜かす（不労所得）ようなことも一切ない。物資の不均衡も全くない。物流は淡々と均等に行われ、楽しみはこれらの活動の中にある奉仕の態度にある。万人、万物に私達のように、区別分裂を最初から挟まないのである。
この方法は地球の私達もやってみなければ判らない。何がそれで優れているのか、私達は一度も試したことがないから。最初から考えただけで出来るわけがないと、頭から拒否してしまう人の多いだろうが。もったいないことである。その先にある宇宙的な生き方を知ろうとせず、最初から宝をすっかり投げ捨ててしまうかもしれない。
これを実現するには具体的に、
私達は日常生きるだけで相当の軋轢、トラブルがある。日本の国はまだよいのであるが、明日の食い物もない家庭が世界では多数ある。ただ生きるだけで大変で障害や猛烈なストレズがあるというのは、この惑星は真に異常であること。同じ惑星に住んで、知らぬふりを決め込むのは忍びない。惑星は全てが共生の中にある必要がある。トラブルがあっては、一か所でも地球全体に影響を及ぼすのである（惑星は丸いから）。だからこの話は日本だけの話ではない。しかし世界の中の日本で、お金のない社会がまず一部でも始まると、賛同する人々が多く集まるかもしれない。
貧乏でもいいのである。考え方をすっきりさせて、シンプルに生きようと決心さえすれば誰でもできる。基本的な生活をストレスがなく、人間以外の動植物のように普通に生活するのが目標である。当然、その精神面では今までより、数段進歩するのは当たり前になるだろう。でないと、昔のままの精神では、その社会は維持できない。お金は持っていないが、それをはるかに凌ぐものを精神的に誰しも持つことが必須になる。これは完全に実現可能なことである。笑い話しではない。地球では非常識であるが、多くの他の惑星では普通の常識なのである。この違いを明確に自覚さえすればいい。
地球の何処かでこれを実現するなら、当面は、日本の中でこれを実現するのはどうだろう。最も実現しやすいかもしれない。最初は小さな範囲で初めてよい。多くの企業あたりから賛同を集め、一周りする物流の流れを掴んで、その範囲の皆が連携するのである。最終的には皆が採算性を無視して、お金のない社会を実現するのである。ただしずる賢い者はおいそれと入れないだろうこの社会では、基本的には犯罪は少ないと考えられるが、警察機構は一時的に一般社会から借り受けるのがよいかもしれない。そのうちに犯罪は完全になくなる。最初は犯罪者が流れ込んでくるだろうが、それを見越してその者達も飲み込むのがよい。そこに住人は今迄の生きかたでは、続かないだろうが、実はその時に行うべき重要なことは、全員のテレパシーの獲得が必須となる。これが全てを解決するものになる。少し悪者がその社会に入っても、周りはテレパシーでその人物をすっかり見抜いてしまうからである。ずるく騙そうにも、周りはそれを許さないだろう。つまりそこの住人はお人好しで、ぼんやり生活するのではなく、数段上の精神生活方法を獲得する、具体的手段を、日夜身に着けることになり、互いに助け合い、扶助が完全に出来のであるから。ふざけて言っているのではない。真剣で真面目である。不真面目であったのは今迄の私達の貨幣経済のやり方である。
こうすることで、多くのトラブルは排除できると思われる。単なるお人好しの集団にはならない。その代わり、やるべきことはしっかりやる条件である。そこに入る人もその覚悟は必要になる。そうでないと、身勝手な者達が集団で押し寄せ、収拾がつかなくなるからである。この中では派手なことは出来ない。見た目の生活はとても質素になるだろう。しかし心の内面はしたたかに深くなり、従来の一般生活からは予想もしない内容になると思われる。人はみな相手を信頼をし、これを基本にした生活になるので、完全な大人の付き合いになる。生き方も進歩的だが、ここでは技術面も大きく変化すると思われる。独自の宇宙船を早晩、建造出来るようにになると思われる。宇宙時代にふさわしい宇宙船である。勿論公害は出さないし、燃料も要らない飛行船（磁気と磁場の利用）である。そして他の近隣惑星との交流も、少しずつ進むと思われる。これは是非試して見るべきである。
この試験的新生活の介し方法は、他の項でも述べているが、あまり急ぐと失敗する可能性がある。のんびりしすぎると、全く間に合わない。差別しすぎると、周りから怨念を誘い旨く行かない。この動機ははっきりしている。今の私達の生活があまりにも出鱈目であるからである。今がいいという人は恐らく、この生存競争に勝ったほんの一部の人達であろう。残された人々は、社会が、やり方がおかしいと常に思っているだろう。この差が年々大きくなり、物的差別が大きくなってしまってる。真面目に働く価値観が崩壊しつつある。私達は今本当の共生の社会を建設する必要がある。これはタワゴトではなく、共生が私達には完全に出来るイメージである。タワゴトとは、現在の私達が今思い行っている生き方、やり方、思想 そのものが実はそれがタワゴトなのである。事実は完全に逆転している。
私達には多大の困難が日頃降りかかる。止めどもなく際限のない困難である。正直に生きようとすれば益々その締め付けは厳しくなる。楽に生きようとしたり、手を抜いたりすると、あとで大変な苦労が降りかかる。では先に苦労すれば、後で楽になるかと云えばそうでもない。かん難から避けるには一瞬も油断が出来ない。
ところでこのような生活の中で、宗教を抱え込んだ生き方はこの困難からの「逃げ、退避」の一種と思われる。私達は残念ながら精神的な自立が出来難い。その境遇からして直ぐに自立しようとしても、普通は無理である。ではどうして自立するのか？
このためには情報がどうしも生きるに必要なのであるが、私達には最初から目の前にその本物は用意されていななかった。しっかり隠してあったから。どうしてなのかその真の原因は判らないのであるが、私達にとっては重要かつ、最も肝心なものがわざわざ奥に隠されていた。ヒントや、手がかりですら奥に隠してある。そして自力で探すには大変な思いをする。これは大昔からそうであり、時代が下がって現在になるに従い、さらに困難となり、探し出してもそれは奇跡になる。見つけたときは誰も後ろについて来ない。このような出鱈目がなければ、そもそも宗教も最初から要らなかったのに。
真の情報は隠した？ この原因は真実を誰もあからさまに知らなかったからだろう。知っていればそれほど隠すこともなかった。教えられなかったというのが正解かもしれない。その原因の一つに、かつて（古代）の大災害（天災）と思われる。地球をひっくり返すような天変地異が地上で何度も発生し（数千年か、さらにもっと昔の時代）、それまでのよき情報（肝心な情報、知恵）が壊滅状態となり、人間同士のそのよき知恵、文化を引き継げなかったのであろう。物理的にそうなったと思われる。超古代の地球（もちろん歴史的記録はない）は真の平和があったようである。その後この大異変で原始の時代に次第に戻っている。災害のとき人口も激減した。それまでの文明自体を直ぐに元には復興できなかったのである。
その後文明はゆっくり昔を思い出したように再び始まった。僅かに生き残った人達が長い時間をかけて、かつての精神文化、物質文化を、少しずつ元に取り戻り戻したのである。しかし精神文明は十分引き継がれることなく、かつてより劣ったままとなっている。昔のように優れた精神遺産はここで断絶し、思い出せなくなったのである。かすかにその痕跡が残っているだけの状態である。これは日本も同じである。その証拠に、他国ほどではないが、日本ですら常に私達の身の回りは、紛争や争いの類がその後絶えないからである。今が平和であるなら、私達は精神的に進歩していると云えるが、そうではない。かつてより日本も逆に紛争は増えて、残虐性が増している。紛争、戦争を続けたままで、精神が進歩することは決してない。戦争のやり方は旨くなり、悪知恵は働くようなるが、それだけのことで、これは宇宙的に全く精神の進歩がなされず、何の自慢にもならない今の文化が残ってしまう。私達の本来の進歩には、この状態は全く貢献もしない。
本当は今の状態になった原因を、探ればよかったのであるが、常にそうしなかった。各個人は自分の困った問題として精神的安寧を求め、多くの人はその専門の窓口である、宗教の門を叩いた。というより強制的に入門させられたのである。つまり政治的に既成の宗門に入らざるを得なかった。好き嫌いや求道精神でそうなったのではない。大概は政治的理由で、自動的に現在の宗派の宗教入門になってしまった。大方はこのような集団入信である。
そこでは精神的安寧を確かに与えて貰い、死ぬときは有り難く「あの世」にも送ってくれるし、それ程の不満も今はない。既存の宗教が何者か、本当の真髄は誰も言わない。これで人並みの生活が保障されるので有り難いのである。宗派はともかく私達はこのレベルで精神的な安定を得られたというのは否定できない。真の安寧はともかく、これでよかった。おまけに大方、宗教は政治と一体であったので保証付きである。いつの時代もそのための宗教が用意されてきたのである。大衆はそれを素直に従えば何でもないことであった。
その代わりであるが、本当のこと（真の哲学、生命科学など）は教えてもらえなかった。教える側が中身を持っていなかったからである。なけなしでは教えられない。そこで大衆の無知を幸いにしてさらにその教えに煙幕を張った。大いなる暗闇である。真実はいつも芽を出すから、ほっておいたら宗教自体がやり込められる。各宗派は理屈やほら穴を沢山堀進み、積み上げて、その宗派の防衛にいそしんだ。それが長い安泰につながるからである。
すると紛争や、戦争は宗教と常に一体になっていることも判る。お互いに陰に陽に、助け合ったのである。片方が無ければ相手も要らないからである。実は紛争と宗教を同時に無くしてしまう方法は別にあった。これはずっと以前から存在した。しかし紛争を絶え間なくし、人々の精神を不安にさせ、疲弊させ、同時に宗教をしっかりあてがうことを、ときの為政者も忘れなかった。この方が都合がよいという人達が陰にいたのである。宇宙、生命、人間の本質は奥に隠し、同時に肝心のこと（人間の本質）は闇に隠してしまった。
このような中で、自力でものごとの成り立ちを考える者は、さらに少なくなったが、自立心の高い者は、概ね社会的権威や既成の権力で押さえ込まれ、更に生き残っても切り捨てられた。宗教の殻を取り除いた者には、光がほんの少し覗いているので、それを引っ張り出せばよかったのである。しかし引っ張り出す前に、真実を本当に申し立てたときは本人が力尽きている。
気付かない大衆の方はその点どうでもよかったので、大衆宗教はさらに宗派も増えて増殖した。世が混乱し紛争が増えると、これに比例して宗教は需要、必要性が出てきて、新しい宗教も次々に増えたのである。宗教は社会不安とセットになっている。混乱、紛争を無くすことを考えればよかったのであるが、そうはしなかった。両者の基本に触れることはしなかったのである。
最近、私達はロボットという言葉をよく聞くようになった。昔から自動的に機械でやれるものは、それに任せてきた。特に現代になってからはこれが急速に進み、乗り物を始め、コンピュータ関連ＩＴでも自動化がさらに進んだ。ＩＴはすでに最初からロボットの一種であり、ロボットそのものである。最初は自動化の一部だったのが、段々と人手が要らなくなり、ボタン操作一つで複雑な作業が出来るようになった。一連のものは殆どができる。そしてあたかも人間の判断のように自在に操作をする機械が「ロボット」となる。そのうちに人間の役目を、その殆どをやるようになるだろう。特に肉体労働的なものはそうなるだろうし、実際急速に今後も進んで行く。
ところで人間とロボットの違いは何処にあるのだろう。大きな違いは創造性や直感と思われる。ロボットを作るのは勿論人間であるが、これには動機と創造性が必要になる。ロボット自体は製造された経緯から、その動機、創造性を最初から持たない点が私達との違いである。そして私達人間の精神活動の中で顕著なものは特に「直感」である。これは機械やロボットでは出来ない。直感はある意味で無限に通じるもので、動機と合わせて、最も私達が人間としての根源の部分に通じるものである。
ロボットは便利であるが、開発する動機の間違いや、使い方を間違うと私達自身をつぶしてしまう。私達が自滅する原因を作る。つまり悪用すると逆効果が出る。物事の動機と原因を明確に知らないと、逆にロボットに飲まれてしまう。丁度私達が貨幣経済を人工的に作り出し、生活の中で貨幣が勝手に肥大増殖し、自分たち人間を大変な思いにしている（貨幣自体に飲まれる）ことと同じである。使い方と、動機のチェック、物事の本質を間違うと滑稽なことになる。悪用すると、最後にはロボットを恐れるようになる。戦争兵器は昔からある最悪のロボットの一つである。
また私達が作る知的ゲーム類は、それを正確にスマートに勝つためには、多くの修練や能力が必要とされる。またそれに勝つために人間と同じように機械もゲームが出来る。ところがゲーム自体を作るのは人間なのである。するとルールを作りゲームをすることは自然の活動とはあまり関係がない。つまりゲームの中での人間対ロボットというのは、実はたいしてその中身が変わらないことなのである。あくまで私達の作り事の中の話である。それ以上でもそれ以下でもない。何か知恵あることを行うのとは全く違う。
そして人間とロボットの確実な違いがもう一つある。それはロボットは転生を理解できないということである。またロボットには転生自体を思いつかない。また必要もないからである。私達はよくロボットと人間のテーマのことが話される。ついに人間はロボットに使われるのではと、心配の向きがある。
しかし基本が判っていれば勘違いをする必要はない。主人が誰かを理解していればよいのである。間違って、主人をペットの犬と間違って生活している人（今は大勢いる）には、理解できないかもしれないが、決してロボットが主人になることはない。
どのように高度な機械であれ、ロボットであれ、私達が利用する機械類は道具である。身近な金づち、スコップ、刃物などからスタートした道具である。たとえさらに進化した高度な宇宙船や思考ロボットが出来たとしても、やはり道具である。道具自体はイメージや動機、直感を自ら創れない。
今まで自分が獲得した物事を捨てるというのは、勇気の要ることである。特に自前の価値観が総崩れになることには耐えられないだろう。それを見るのは目を背けたくなるかも知れない。
この中に私達の金銭感覚も含まれる。また基本的な価値観、生き方、社会的地位、名誉、評判、経歴、賞罰、財産、勝利感などもそうである。普通は捨てられない財産である。これらは自信とプライドを含めて築き上げて出来たもので、一朝一夕に出来るものではない。長い時間がかかったのである。これらの価値観を捨てるとは、これこそ全財産であるので相当に勇気の要ることである。
私達のこれまでの価値観を捨てる、あるいは変換するとは、例えばこの金銭に絡めて多くの価値観をもっていたものを重視することなく、別ものに価値を転換することになる。今までの価値観からその順位を別物に変えること、日頃の価値観を生き方そのものに重点を変えることなどである。
生きることとは、飯を食い、友達としゃべり、旅行をして自慢をする、持ちものを自慢する、自分の子供や孫がいて沢山の知人が居ること。これで十分であり、悪いことは何処にもないと普通は考える。ここで身の回りを見ると、逆に飯を満足に食えない人、友達も居ない人、旅行も出来ない人、子供も持てない人、結婚も出来ない人等が、確実に同時に沢山いることである。まだ日本は恵まれているが、外国ではそうではない。生活で呻吟している人が無数にいる。絶え間のない紛争は、それこそとどまるところを知らない。
しかしこれは自業自得であり、私達日本人が外国のことまで、心配することではないのではないか？ ほっておいてよいのでは？ と考えることも出来るが、これはほってはおけない。これが円い地球での大問題。
社会的な今迄の価値を、捨て去ることはどのようなことか、これに代わる新しい価値観が必要になる。すべて変えるのではなく、ほんの少し変えるのである。例えばこれらの中で「自慢をしない」ということがある。なぜなら自分にとって、相手の自慢は鼻持ちならず、聞きづらいものだからである。差別にもなる。相手のことを思えば、この自分の自慢は相手にとってじゃまになる。これを止めると、私達は自ら少しレベルアップした感じ方を知る。価値観の広がりである。こうすることで、争いは互いに圧倒的に少なくなる。そして次のステップを確実に踏むことが出来るだろう。
ここでレベルアップせず、今まで通りに自慢しあっては、ついには表立った争いが始まる。これは必至である。同じ様に国同士でも全く同様である。私達はこのレベルを何千年も超えることがなかった。単純な理屈である。ただの自己自慢を少し我慢し、相手に思いやりをすれば、問題が驚くほど解決する。これは間違いがない。誰が勝ったとか、誰が一番であるとか、子供じみた自慢を互いに止めることである（この辺は子どもの喧嘩とレバルは全く同じ）。そうすることで、私達にはその次に途方もないものが用意されているからである。
私達はその段階、つまり精神的大人の生活を経験したことがないのであるが。だから試してみようとは思わない。相手にやり込められること自体が絶対に許せないからである。今まで許したこともないし、負けたら敵を討つ、やり返すことしか考えていない。これは生き甲斐として。だから永久に、このジレンマから抜け出せないのである。何かよい方法はと何千年も考えてきたが、何も、僅かでも出来なかった。科学技術は遙かに進んできたが、この技術では平和に手が出せ無いどころが、私達の競争生活に科学技術では火に油の状態にしてきたのである。
このように特効薬は「互いに自慢をしない」これだけで効果は抜群である。しかしこれが出来ない。たったこれだけが私達には出来ない。そのために数千年間、私達はつまらぬ争いを永延と続けてきている。この事実は間違いのないことである。勝った、負けたで自慢のネタは尽きないが、このため更に争いが増え、しかも同時に科学技術が大いに栄えて、単にこの争いは小さな被害では済まなくなってきたのである。この技術で何をしでかすか判らなくなっているのが今の私達である。精神コントロールなど高度なことは私達には土台無理である。そのような訓練は全くやっていない。政治家、研究者、歴史家、哲学者、宗教家、その他高名な先生、そして陰の支配者であろうと、誰しも同じレベルなのである。
精神的に発達していないのは、それでよいというのではない。このアンバランスは私達の肥大した科学技術を、このままにしておかないからである。キチガイに刃物になっている。その状態を達観して自分自身を見ることが出来ない。いよいよ全体コントロールが効かなくなる。
私達のこれからはどうすればよいのか？ の回答は昔から難しい問題ではなく、ただ「謙虚であれ」「自慢をするな」「つまらぬプライドを捨てろ」というものになる。たったこれだけにすぎない。あらゆることは簡単に解決する。しかし皆これだけのことを言われても、鼻であしらうだけである。やったことがないから想像もつかないと。
私達のこの間違いだらけの歴史をいくら長年研究しても、さして役に立たない。意味も無い。あるいはこれは進化論の検証になると思っているかも知れないが、これにも何の役にも立たないのは請け合いである。なぜなら私達が信奉している進化論自体も、この競争をかき立てた道具の一つに過ぎず、その理屈は元から出鱈目なのであるから。
私達の歴史研究などよりも大切な研究は、身近な自分の身の回りで研究するのがよい。たいそうな学問も全く不要である。素直な気持ちと徹底した謙虚さがあれば、十分である。他には大したものは要らない。その他は普通の常識を持っていればそれでよい。私達の研究対象で最も重要なものは、大自然と彼ら他の惑星人の生き方である。身の回りにある、なんでもない自然そのものが、私達の研究する上で大切な対象である。より良き生活の研究対象が全くないわけではなかった。昔から身の回りにチャントこのように大自然そのものが用意がされている。そのことに私達は普段は気付かない。もったいない話であるが。
例えば他の項でも書いたように、私達の身体は、全て自然の材料から出来ている。これは他の大自然の生き物もそうである。土水空火はもとより、小動物、微生物、細菌に至るまで例外がない。そして私達人間はその一部の生き物で、基本的にはその他大勢の生き物と、全く同じ作り方、生き方に組み込まれている。人間が違うのは、他の生き物よりも知力と器用さはあるが、身勝手であり、価値観が幼稚であるということ。これが私達の際だった特徴である。しかも困ったことに、現実に私達自身がこのことに気付いていないということである。
私達が今までガリガリ亡者で稼いできたもの、身につけてきたものは、すべて捨ててしまってよい物である。本当に捨てられないものは、目に見えないものであり、転生で持ち越すものである。良くも悪くも自分の身から離れないものである。いずれ私達は身の回りにあるもの（ガラクタ）は、死ぬときには誰しもが一切捨てるしかない。
ならば最初から捨てるのでもかまわない。本当に死のときに繰り越すものは、私達の本体と見えない体験記憶から培ったものである。これは消えないし、消しようがないものである。いずれその決着は自分なりに付けなければならないし、自分の最後の最後の持ち物と対峙することになる。これこそ自分だけになる。閻魔（エンマ）様なんてものも居ない。転生ではこのように、今まで自慢していた財産、地位、栄誉 などは一切何の役にも立たない。いくらあっても死ぬときは、これらの持ち物は一切捨てるしかないのである。この決まりは金持ちも貧乏人も全く同じ。あなたは死ぬときは何を持って行くのですか？
優れたアイディアはイメージが先行する。見えないイメージで物事の方向が決まっていく。つまり父性側の導きが優先するのである。現物が最初からあって、それを探すのではなく、原因から出てくるイメージに教えられて進む。これを無意識に信じたときに、必要な先行イメージが現れる。私達に教えてくれる。
これから判ることは、この沸いて出るイメージが最も重要であること、科学のみならずあらゆる活動の中で私達に有益なものを知らせてくれるのである。各人が生み出すべき直接の解答である。いつも優れた出来事はこのような環境から出てくる。イメージしたものがよきチャンスを窺って、その手口をつかむことから始まる。勿論その全てを編み出すのではなく、ある部分は周りから得たヒント、イメージである。つまり人のものを習っているうちに湧き出るヒントでもある。そして自分なりのものが同時に生み出されていく。このとき各人のオリジナルが自然に出来る。
当然このとき問題となるのは、やはり日頃の個人の動機である。イメージの正しさを判断し、自信を持たせてくれるのは、自慢などではなく、謙虚さである。これを自分でチェックしなければならない。最も私達にとって難しい判断である。自画自賛ではどうにもならないし、逆に全く自信を失ってはさらに進まない。丁度、塀の真ん中を歩くようなものである。このバランスが自由にとれるときが突然来るかも知れない。そのような機会が与えられたときには、その場を逃さず、中身を急いで纏（まとめ）た方がよい。最初は何をしているかも判らないかもしれない。ともかく纏めるのである。繰り返すと全体が次第に現れてくる。最初から全体は見えないが、その一部がちらりと姿を見せるのである。
このイメージは最初からすべてが出るとは限らない。その一つのヒントや、一角が出ると思われる。ほんのちらりと部分が顔を出す。それをたぐり寄せないと全体は見えないし、本人が気付かないときもある。そっと囁くので要注意。重要なものは大騒ぎして現れることはない。ごく静かに現れる。
この要領は沢山のアイディアをもらうときの基本である。そしてアイディアが現れるときの各人の癖を知る。この機会は、特別なことを行うのではなく、ごく普通の生活が必要なようである。
離婚は昔もあった。現代はその頻度が多くなっている。また父親のいない子供を、産むことは珍しくもなくない。片親の子供は育っていくには大変に不都合もあるが、特にそのことに抵抗が全くない母親や家族が増えている。
昔のように家の家風やしきたりが薄くなり、皆が制約のない均一化された楽な生活が、可能になったからかも知れない。金さえあれば確かにそれなりの生活ができ、自分勝手に生活ができる。子供を持つのも、制約があまりないので自由である。その日の金銭の算段をやってさえいれば、目の前の生活には困らない世の中になったのであろう。生活そのものは金銭稼ぎの単純手段となった感じなのである。他にたいした意味は問われないし、目的は単純化されている。生活の身の回りはすべて自動販売機でも出来るようになって、共同生活の必要性がなくなったのである。勝手に住んでいればそれでよいのではないの。辛抱すれば格安の生活も可能であるからと。
しかしこの便利さは同時に難儀な面をつくる。例えば互いの付き合いにくさを生むことである。人間同士の中にとても大きな壁を作るのである。誰も予想をしなかった結果である。昔は不便さが皆の共同活動を奨めた。皆が共同生活をすることで効率がよかったのである。今はその理由がなくなった。皆でやらなくても、金で業者を雇えばよいし、店で好きな物を、金で買えばいい。作業も機械で大方短時間でやってしまうのである。昔の井戸端会議は、自分の各家での自動洗濯機になったのである。これに至るには水道が必要、電気が必要、モータが必要、洗濯機という便利な専用機が必要なのであるが、今ではどの家にもその全てが揃っている。
しかしその便利を競う科学技術のせいで、私達は知らぬ間に人間同士互いを断絶させた。これに金銭の取引きが直ぐに入るので、益々私達は互いの間に断絶ができてしまった。機械や金銭が私達の身の回りを取り巻いているが、この覆いが増えるほど、人間関係はさらに疎遠、希薄、断絶となっている。
ところでこのような中で、家庭に子供を持つことは単なる流行やステータスの一つになる。自分の持ち物が他人とは違い、自分にないので、とりあえず子を生んだということになる。あるいは子供は目先の生き甲斐、愛玩そのものになるかもしれないが、それは殆ど個人的なものに集中している。社会人としての子供という意識は全く無く、その考えは薄弱である。子供はほんの個人的所持品に過ぎない感じに近い。この子供が社会を維持する人材となる意味は、すでにイメージされていない。究極、子供は個人の持ち物で国民というイメージも全くない。戦後の民主教育と便利さは、ここまで民族を、安易な持ち物に変え、短絡させてしまったともいえる。
はっきりしているのは、社会を作ろうという意識がないことである。つまり社会の面倒を自らみようという人々が極端に少なくなることを意味する。自分や身の回りの都合だけ、それ以外は考えないという単純思考が増える。金銭は自分の生活の全てになったので、それだけを気にしていればよいのである。他に周りの付き合いは必要性がなくなった。必要性を感じない。
このような社会は“烏合の衆”となり長くは維持できないだろうと。出来ても魅力のない社会にしかならないのではないか。やはり原因は思想の無さ、戦後の民主教育と機械化、金銭割り切りによる社会分断が大きな原因のように思える。
また同時に男女の結婚というものに意味がなくなっている。社会を作ろうという意識がなくなり、生きる魅力はどこからも産まれず、当然、男女のアヤも、助け合いという面白みも見ることもあまりない。中身のない淡泊な社会が出現してしまった。あとは携帯電話、アイドルとスポーツ、ゲームだけを追いかけ回す生活、あるいは安っぽい優越感、先頭意識、ステータス、金銭の多寡だけに気を遣うだけの生活になる。
それでよいとなればそれでもいいが、あまりにも酷すぎる。そこで育った子供は当然片親も多くなり、むしろ孤児に近い。携帯を見続ける母親に育ってられた子供は、まともな情緒は全く育たない。価値観が偏るし、薄っぺらになる。ここで共に社会人として育てと願っても到底無理である。片親なら更にまっすぐに育つのは難しい。その子は社会を維持できる人材には育たない。例外はあるが最初からハンディをもったままである。両親健在で子供を大事に育めば、社会ではそれなりに、その子が今度は逆に社会を面倒を見るようになる。これは普通の感覚である。しかし短絡が進むとそうはならない。まさに
これら歪んだ土壌では、結婚生活がまともに維持できない。切磋琢磨などややこしいことはできない。すぐにあきらめて離婚する。さっさと別れて互いに勝手な生活をするのである。子供のことなどさらさら考えない。子供は社会の財産という考えなどはみじんもない。だから勝手に親や親元が何のためらいもなく離婚を決める。そして気が向けばすぐに他の相手と再婚する。実に子供にとっては多難である。あとは金銭のトラブルだけが残る。そのうちにこれからは両親の元で子を育てるという価値が無くなって、親は親、子供は子供で勝手に「飼育する」という社会になるかもしれない。これでは家畜の飼育場と殆ど同じになるだろう。
この解消法はあるのか？ 男と女が互いに魅力的に出会い、そして魅力的に子供を育てる環境を復活させる方法はあるのか？ 子供は両親が慎ましやかに生活し、安定した精神で子供に接することは、子育てには最も大切なことである。これは衣食住と同じように欠かせない内容である。これなくして子育ては完成しない。男女は育児のときのために、それぞれの固有の力が備えられている。無駄ではなく必須である。たしかに集団で育てる方法もある。両親と同じように肉親以外でもできる。が最も手早く現実的なやり方は、生みの親の両親に勝るものはないと思われる。
では見本はあるのか？ いくらでもある。自然をみるとどのような生き物でも、たいがい夫婦で子供を育てるのである。私達はこのマネすら今は出来なくなっているのである。私達は動物から進化して人間になったのでは決してない。この説は妄想である。本当は、人間の私達は時代が下がるたびに、この数千年間で人間が子育てを含め退化しているのである。だから子供もまともに育てられない。その上、人間同士の争いが比例するように増えて絶えない。退化している立派な証拠を日夜積み重ねている。便利な社会は生活の苦労が無く、一見すばらしいように見えるが、決定的なことは、無定見に便利さを追い求めると、生きる喜びや動機が生まれてこないことである。便利さは同時に別のものを用意する必要があるが、それを忘れている。便利さのみを追及すると、このようにみっともないゾンビの生活になる。
離婚はこの場合、子供にとって最悪である。今の社会でこれ以上に痛めつける方法はない。ダメージが大きい。これは社会全体を痛めつけることと全く同じである。なぜならその子は離婚のショックで精神的な大きな負担を背負い、容易には立ち直ることができず、トラウマを大人になっても引きずることが多い。子供の将来にとってよいことは一つもない。同時にかれらの生活はその生涯で負の遺産を持ったままとなる。親は何でもないことだからと離婚をするが、最初から父親なしの子を生むことは、社会も重大な負の遺産を抱えることになる。
無責任な生き方は無責任な社会を作る。自分の生き方は子供たちの生き方、社会の生き方の写しになる。これはごまかせない。個人が利己的に徹すると、社会もそうなる。そして益々私たちは互いに生きづらくなる。自分で自分の首を絞める。これは転生を含めると更に相乗効果となるからなお悪い。結婚の意味すら思いつかなくなりつつある。ごく個人的なステータスという薄っぺらな価値判断しか出来なくなってきている。子供は自慢対象のオモチャ以下の程度になっている。そうならないためには、その逆をやるしかない。
逆とは、自分の足元を見て、あきらめずに真剣に当たるしかない。少なくとも他の生き物に劣らない生き方をする必要がある。私達はけっして進化しているのではない。次第に精神的に退化しているのが現実で、元に戻すのが先決である。あたふたと慌てなければならない。
私達の身の回りの便利さは、だだそうなるだけでは済まない。その見返り、反動がある。これを無視するととんでもないことになる。文明の利器はそのままでは済まないことを知るべきである。丁度、農業で使う農薬は、便利であるが大変な代物になり、両刃の剣となり、他の生き物にも影響を与えることになるからでる。原子力もしかり。ともかく便利さは不便さを生む。私達の発明は安易に発明したが、みなこの逆の見返りが伴っているようである。短い時間スパンでも、長いスパンでも発生している。特に長いスパンは気づかない。この長いスパンの中に、人間の生き方、価値観の変化がある。私達の結婚スタイル、子育ての変化もこの影響が甚大である。利便さは互いの薄情と何らかの不便さ（人間的不幸）に確実につながるようである。
では不便さがよいのか？ そうではない。不便、便利という前に、私達はその生き方そのものを、知る必要があるということのようである。生き方を知った上で、便利さを求めるならそれはそれでよいと思われる。が価値観の欠落した便利さは必ず、不便さと人間同士の分断や、気軽な離婚を生むのだということを知る必要がある。
父と母をわきまえて子育てをする意味は段々と廃れ、何を目標にするのかは明確に示されていない。身の回りの便利さはさらに無目的に拍車がかかり、個人だけで探しても、また膨大なデータから、集約しようとしても見つからない。従来からの価値観は、常に時代が進むと共に瓦解し、再構築するのに大わらわである。しかし私達は元からある惑星を含めた、大自然の生き方を真摯に見習うならば、多くのヒントがあるので、この隠された自然の知恵を自ら探し出すしかない。これが唯一の解決手段である。
人に援助をする方法として、融資、投資という方法がある。これは私達の商売には一般的で何も不思議はない。資金はないがアイディアと体力があるとき、人から金を借りる。この金を元手に会社を設立して、商売を軌道に乗せる。余剰金が出来たら借りた金を返金し、株の配当にもなる。これは今の社会では何でもない普通の商行為である。
これを逆に見るとどうなるか。つまり資本金をもった人はアイディアがなくても、末永く配当が得られるということである。当然リスクがあるので、これを見込んで利息を考慮する。同じように土地をもった人はアイディアがなくても、土地を貸してそこら地代、口銭料を取ることができる。
この取引は互いに遜色がないように思える。が一旦度を超すと、資本を提供する方が一方的に優位となる。同じこのシステムを利用して、ある種の集団や会社は、個人、会社、国家に対し貸し付けを行う。そしてこのシステムはあらゆる分野に波及し、二重三重に利息がからむ。つまり本当に働く人が次第に少なくなり、利息に乗っかる人が増えることである。これを利権、縄張り料ともいう。度を過ぎると大半が利息、所場代、顔代、挨拶。土地代などとなる。その分、最後に働く人は大変な目に遭う。つまり貸し手は実質金融ヤクザに近くなり、縄張りだけで生きていける。縄張りとはヤクザだけが専売なのではない。あらゆる分野や隙間にこの利権がはびこる。
実際にこの取引には、善悪など入る余地はないかも知れない。契約の社会であるのでその通りに行われるだけであると。しかし度を過ぎると、このように貸した資本は、多くの見えない法人の力を持つことになり、資本を借りた末端側は長い間、そのくび木のために長く縛りを受ける。つまり貸した側が、いつまでも優位に立つというシステムになる。貸した金、資本は個人の人間以上にものを言うのである。これが金融システムの最も厄介な面である。途中でくび木がとれるならよいのであるが、しつこく資本は人が死んでからでも付きまとうのである。
近年はこの資本家の保護という名目のために、いびつな社会がさらに加速している。資本や資本家は見えない。見えないように法律で保護される。丁度、資産隠しのように。しかも資本家は利益と権利だけは陰から厳しく要求する。人工的な金銭は相手の命も平気で脅かす武器と全く同じ働きをする。金銭が最優先される社会は、これを否定することは出来ない。金銭や金利に縛られたまま資本家や出資者の言いなりである。資本家側や企業側の言い訳は常に、金科玉条のように「出資者の保護」という。これさえ唱えれば誰も文句は言わない。資本主義の諸悪の根源はここで発生することが多い。
確かに事業を興すにはこのような資本がいる。しかし金銭は本来、人をきつく縛るためのものではなかった。いつの頃からか資本は勝手に造ったシステムが発達して人を縛るようになったのである。資本を持つ法人は、生きた人間以上に人々や組織を縛る。私達は金銭が非常に便利であると考えているが、この便利な道具のために、逆に多大の労役を強いられるようになった。便利さは逆の不便さを必ず生む。元来、労働の価値を金銭で計るということが、最初から間違っていたのであるが、今さら変えられない仕組みや約束事になってしまっている。またこのシステムが私達にこよなく合っているという人が多い。金銭に全く苦手な人々が大勢いることも確かであるが、大方は昔から培われた取り決めであり商法であると信じている。この世の不可欠の法則と、完全に信じている人が大半である。
この商習慣をそのまま利用して、ペテンや誤魔化しで商売にしている者が沢山いる。あるいは国際的なスケールで見えないカラクリを活用して、すばしこく多大の利益を得ている集団もいる。これは大昔からいた。私達の活動が金銭のやりくりに切り替えてられてから、多くのイカサマ金融も発生したのである。特に最近はこれが巧妙で、すざましいものになってきている。特に金融商品という化け物である。一見、正当な金融活動であるが、裏から見ると博打場そのものである。何もまじめな生産活動はしないで不労所得そのものである。その中にいる者は、正当な労働と言いたいだろうが、実際にはまともな生産活動は一切していない。単に「商取引を悪と見る」からそうなると言うものではなく、労働を金銭に置き換えたそのときから、これらのいびつさが最初から含まれるという意味である。だから正解は金銭取引をやめるのが最も早い。では本当に出来るの？
私達の活動を物流だけの流れにしてみると、どうなるか？ つまり金銭取引をなくしたときである。私達は日常、最終的に金銭ではなく必要な物資がいる。食料や衣類、住宅などである。道路や車が最初から要るのではなく、これ以前に基本的な生活必需品がある。これは文明化されていない人々でも必要な必需品である。これさえあれが困ることのない基本的な必需品である。
今の経済活動のなかで、この基本的な物流はそのままにして、金銭活動を完全停止すると、しばらくは物流が動く。金銭は月締めなどで現金や電子で決済が行われる。この決済をやめてしまうとどうなるか？ 私達の生活は金銭そのものを食べているわけではないので、何も困らない。つまり金銭取引が無くても、生活の活動は当面出来る。困るのは帳簿上の赤字、黒字なのである。金銭帳簿をつけないと赤黒が判らない。赤字だとその仕事は止めなければ周りが承知してくれない。如何に正直に仕事そのものを行おうと関係がない。赤字は爪弾きされる。つまりこの利益が出たのかを競っているし、大変にこだわっている。
ところで最近は金銭の電子取引が多くなって、「電子マネー」というものも出現した。これは今までの金融システムと基本は大して変わらない。思想は全く同じのものである。二重になった仮想の金銭価値を認めるかどうかというものである、金銭そのものが最初から仮想であるから、本質は全く今までの紙幣と同じものになる。どのような派生マネー、便利なマネーが出ても中身は同じとなる。ものの価値を何かに置き換えるという置換作業であり、私達の混乱、隠滅の原因であることには変わりがない。
金本位であろうと、電子マネーであろうと、あるいは昔エルサレム神殿前で、銀貨をペシェルという河原で拾ってきた石ころの貨幣に、こっそりすり替えて神殿に恭しく奉納していたものと全く変わっていない。当時の神殿の主催者は銀貨とペシェルを交換することを覚え、石ころの貨幣をそのうちに何処でも通用するように権威付けした。銀貨からすると偽通貨である。神殿の権威で嘘の価値観をもった貨幣は、それが偽物で何の価値もないということに、周りははっきり気づくことはなかった。為替、両替の原型である。そのうちに石ころが銀貨以上に、価値を持つようになったのである。カラクリを知っているのは神殿の前でイカサマをしていた者たちだけである。これが今でいう貨幣の印刷利権、為替操作である。
このあたりから通貨や為替は人を惑わすようになった。つまり架空の通貨である。実際には何の価値もない石ころ通貨が生活をそのまま動かしていくのである。そのうちに株券、証券、為替が出てくる。さらに通貨を含めて金融債権だけの商品が生まれ、賭場が開かれる。金融商品である。何の生産もなしに、債権だけで大きな金額の取引を行う。ところが勝手に好きな者たちだけ為替や博打をやるのはよいけれど、この通貨で日常生活が行われているので、これら為替は私達の日常生活に直接大きく影響する。結局、実体経済を元から質草にしているので、どうしても私達の生活に影響するのである。大衆や真面目な企業は何かがあると、大きな損害を被る。
こうなると金融の最初の目的はどこかに行ってしまい、本来の金融は、バケモノのようにこれに関わる者を飲み込んでしまうようになる。「活発な取引で市場を活性化させる」という文言があるが、これは程度問題となる。度が過ぎると実体経済は博打に飲み込まれる。ではこの賭場は一体誰が主催しているのであろう？ これが曲者で、誰が主催者なのか分からないようにしてある。取引の実態も曖昧にしてある。その上、儲けた者は、その素性が分からないように名義が何重にも換えてあったりする。しかもしっかりと法律的に逃げを打ってある。彼等はこのシステムを大衆が知らない間に長年かけて作り上げたのである。
この馬鹿騒ぎの金融取引を止めさせれば、この意味もない乱痴気騒ぎを止めるなら、この世の不満は大方なくなるはずである。全地球的にそうなる。真面目な物流だけが正常に流れるだけであるから。この取引で余計に儲けようなどという不届き者の欲の皮を剥いでしまわなければならない。元から不必要であるから。
金融が担ごうとする企業側も同じように動いている。例えば少数の企業家、資本家のレベルの低い子供じみた価値観、夢（売り上げをもっと伸ばしたい、業界で一位になりたいなど）を満たすために、不要な生産、不要な売り込み、不要な大衆への買い込み、馬鹿げて大げさな宣伝コマーシャル、などを年中続けなければならない。大衆はこのペースに乗せられ、煽られ消費しなければならない。必要もないものを買い込んで、そのせいで地球全体の公害も甚大化する。この馬鹿騒ぎは冷静になって止めるのが一番である。
素直な取引は、最小限の必要な物流だけである。不必要な物流（利益だけのための流通）は要らない。これで全ての物資の供給は満たされる。つまり金銭は最初から不要である。では不正に対してどうするのか？ 最初はグローバルには出来ないだろう。先に地域通貨のように小さな範囲で実験的にやってみてはどうか。
つまり利益や金利を取らない取引である。そして許容できれば、金銭取引を途中からやめてしまうのである。そして物流だけをで行うという方法に変えてしまう。
例えばスーパに行ったら、その日に必要なものを手にする。そして金を払うことなく家にそのまま帰る。これは万引きにはならない。次の日はまた必要なものを手にして家に帰る。スーパ側は必要な食料品などを農家から取り寄せ日ごとに並べ、来客の需要を万遍なく満たす。スーパ自体の支払いも勿論しない。ものだけが生産地から送られてくる。では生産地はどうするのか？ 生産地では食べ物はある程度自分でも作れる。その他の必需品、たとえば衣料、靴、帽子、身の回りの小物などたくさんあるが、必要に応じて皆と同じようにスーパに受け取りに行く。勿論スーパのものは金を払う必要がない。
これら一巡する物流には金銭のやりとりはない。これですべてが充足するのである。そのやりとりの中で儲けた、損したという感覚は一切不要なのである。それより物を介して人に貢献出来ること自体が重要なのである。生産や互いの貢献の中で大きな喜びを感じるのである。確かに他人より旨く立ち回って儲けたというのは喜びかもしれないが、そのレベルのチンケな喜びは、この社会には通用しない。人より先んじたり大手振って自慢したり、公言すると恥ずかしくなる雰囲気になるのである。子供じみているので、誰もそのようなことは云わなくなる。それより皆のための各人が、自分の得意とする仕事内容で奉公出来るのは名誉なことで、自分の生き方の次のステップのため、大いに価値あることと誰しもが感じている価値観である。
この雰囲気を作るには、ある程度これに近い人種が必要である。さほど難しくない人々である。例えば昔の日本にいた縄文人の人々である。また一昔前のアメリカに住んでいた、インディアンの人々である。白人達がこの社会を訳もなく、意味がまったく判らず、無造作に壊してしまったが、昔の彼らはこれに近かったようである。インディアンは民度も高かった。失礼だが白人は民度がとても低く、インディアンを全く理解できなかったので、仕方のないことではあるが。今でも白人はこのことをまったく感じていない。私達日本人が今のアメリカの白人に学ぶべきものは何もない。戦後の私達日本人はその経緯を全く教えられていないので、いつも大騒ぎするアメリカという国が、進んだ文明国と今まで勘違いしてきたのであるが。文明は、金銭や物だけでは作るものではない。そこではいびつな物だけが目立つ社会にしかなれない。金銭を無くす社会は彼等には当分、無理であろう。創れるのはインディアンの仲間やマヤの原住民達であろう。その原種の人々は既にいないのであるが。
私達の通信技術はめざましく発達した。200年ほど前はこのような通信を行うなどとは考えもしなかった。地球のどこからでも、互いに会話や映像を交わすことが出来るようになったからである。そして各人が個人的に会話が出来て、その意志を伝えることが出来る。その通信内容や密度はともかく、自由に瞬時に出来るようになった。
通信が出来るから、では何が変わったのか？といわれても困るが、安価で自由な会話、通信表現が出来るのである。今のことろ音声、画像、動画などである。誰でもこれが困った技術とは言わない。便利であるという。たしかに電子の信号であるし、表現は限られるが、ともかく言葉の表現では十分に伝えることが出来る。直接の対話でなく電気的間接法ではあるが。
ところで、私達はテレパシー通信が本来できる。まだ多くの実例は持っていないが、今の通信技術を用いないで、本来は素手でこの通信が私達は可能である。これがもし日常的になると、大方はこちらの通信手段を使うであろう。電池や、電気も要らないし、面倒な通信機器やブロバイダーも要らない。無料で好きに通信が出来るのである。ところでテレパシーの通信は本当か？
電子機器のように勝手に他人の回線にはいったり、失礼な盗聴をしたりすることはないが、本当のところテレパシーは地球の世界や、宇宙にはこの共通の通信手段であると思われる。大自然や、動植物は昔からこれに近いものを使っていたのである。本来は私達人間もその通信仲間に入るはずであった。しかしいつの間にか仲間はずれになって、近年では地球の人間だけは勝手な言葉や文字を使って、回りくどい通信を始め、ついに今の電子による間接通信手段をとるようになった、というのが本当の経緯である。
そしてもう一つ見逃せないことは、私達が現在の通信手段を持つのは、偶然の思いつきではないということである。本当は私達の中にある内部能力（本来のテレ能力）が自然発生的に、そのアイディアとなって出てきているという点である。出鱈目ではない。人間にテレパシー通信の隠れた能力が本来あるから、その一部がほとばしり出て、あらゆる「テレ通信」の技術がその一部として出現してきており、テレホン、テレビジョンなどのテレ技術となっていると思われる。実は私達の能力の裏返しでもある。私達が人間のレテ能力をもっと最初から現実に知っていたら、今のようなレテ技術ではなく、直接本来の通信手段を先に取ったであろうし、今の手間のかかる通信には、それほど関心を示さなかったと思われる。
私達が既にテレパシーを持つことが判ったらどうなるだろう。互いにお見通しとなる。そうなると、当然下手な商売は出来ないことになる。これは誰しも理解できる。商売の意味が全くなくなる。ようするにどれほど儲けました、損をしました、というゴタクが全く言えなくなるのである。言い訳、嘘が全く言えない。言ってもすぐに悟られるので無駄である。「商売」の意味がない。もともと商売は多少ごまかせる、あるいは大いに嘘を並べるのが商売であり、こうなると正直では全く商売は上がったりである。その意味でテレパシーは駆け引きや嘘を言わせないし、最初の人の出会いからすっかり相手が判ってしまう。ようするに金銭のお取引が出来なくなる、というより、金銭が不要になるのである。
すると、この時になって初めて、私達には最初から、金銭はいらないとい感覚が理解できる。これ以前には出来ない仕組みである。金銭の要らない社会とは、このようなものになる。金銭を無くすということは単純に出来る話ではなく、ある意味で少し奥深い事を示している。
ところでこのテレパシー自体は、どのようにして私達はその能力を得るのだろうか？ 地球ではこれが普通の感覚とは認められていない。異常な能力の部類にはいる。地球の誰しもそれは不思議な能力になる。私達はそれを「超」の字を付けて感嘆し、あるいは偽物呼ばわりもする。そのどちらにも評価する。必ず無関心でいることはない。というより非常に関心を持つ。しかしこの能力を元来持っている本人は、あまり不思議がらない。持って生まれた能力はどうしようもないからである。
ところで私達がこのテレパシーの能力を十分に持っているならば、既にその人物は私達地球には生まれてこない、または転生して来にくいのだと思われる。ここが理解できない私達の能力の限界でもある。誤解を生む根源でもある。つまり理解できない者同士が、いくらテレパシーのことを説明しても皆インチキになる。本物は何処にもない事になってしまう。時々超能力といって、捜し物をするとか、未来予言的なことを言う人を畏怖の念を持って見るが、その先は宗教となる、この辺が私達地球での相場である。これ以外のとらえ方は出来ない。どうしてもこのようになる。テレパシーの実例を、いくら見せてもせいぜいこの程度で終わる。超能力騒動の中で常に終わる。ついでにＵＦＯ騒ぎもこの中にはいる。これ以上に出ることはない。同じパターンなのである。テレパシーを持つ人やＵＦＯ目撃などはこの騒動の中で潰されてしまい、正常ではいられなくなる。寄ってたかって全面否定され、思いっ切り蹴飛ばされてしまう。本気で世を惑わるということで、その能力ある人を意地でも、メンツにかけても、潰そうとする。残念で悲しいことである。
ではテレパシーのない私達が、テレパシーについて議論しても始まらないなら、この現象を捨て置いてよいのだろうか？ 同じようにＵＦＯ現象も捨て置いてよいのだろうか？
実はこの現象は私達の本質を問うときに、どうしても抜けられないテーマになる。結論からすると、「人間にはテレパシーがあるということである」。むしろテレパシーは顕在していないが常能力のようであり、自分自身が知らないだけのようである。その実例として、このホームページでは「ＮＡＳＡの宇宙飛行士の体験例（アワ－2）」を何度も挙げている。私達の地上（地球表面）ではテレパシーが実現しにくいのである。ところで私達の現代は宇宙へ曲がりなりにもロケットで飛び出すことが出来た。そこで体験したとこととは、地球人でも場所が適切ならば訓練することなく、テレパシーが得られるという貴重な実証であった。
もちろん最近では「ＮＡＳＡは月に行ってなかったのでは」という逆の情報操作が行われているが、これは真実ではない（この否定情報の根源を知ると、陰の陰謀者が何を考えているかが判る）。彼ら宇宙飛行士は宇宙を実際体験したのである。その証拠が「彼らの意識、能力の変化」であったと思われる。飛行士は伊達や酔狂でこの証言をしたのではない。本当に体験し、この点に関しては他のこととは違い、箝口令が敷かれていなかったので、喋ってしまったのであろう、衝動で言わざるを得なかったと思われる。なぜか？ 「宇宙の新しい情報」を調べるほど、このことが理解できる。宇宙飛行士がいかなる心境であったかが、誰でも手に取るようによく理解できるのである。
地球上でテレパシーなどを得ようとすると、従来はそれこそ難儀な訓練や試練に打ち勝って得なければならないと思われているが、本当は全く逆である。そのような苦しいな訓練よりも、回りの自然のように正しく生きていければ、それで人間は必要なテレパシーはそのまま得られるというものである。丁度イエスが素っ気なく言放ったように。
但し昔から私達人間が正しく自然のように生きることは至難の業である。これは誰しも認めるところと思われる。心当たりのない者はいない。このごちゃごちゃした中でそれ（テレパシー）を求めるのは、誰かが言ったように「ラクダを針の穴に通すようなもの」に違いない。それほと、私達の生き方は逆を行っているということになる。他の惑星では難なく出来る能力であるのに、私達地球では途方もなく遠い世界に見える。むしろ私達はテレパシーで周りを見たくないのであるかもしれない。だからこのような情報に触れると、途端に怒り出す人も沢山いるのであろう。冷静ではとてもいられない。「イカサマだ」と激しく騒ぐ。私達は自分自ら出した日頃の粗雑な想念のために、地球の雰囲気（振動）が悪くなり、互いにテレパシー会話が、素直に出来ないだけのようである。つまりテレパシーの環境委破壊である。今、テレパシーに絶対反対な人は、それなりの自分側の理由を持っていると思われる。
これらの新しい情報はすぐには身につかない。しかししぶとく、時間をかけて丁寧に研究をすることでこれが可能となる。むしろ他の惑星の彼らの考え方の方が、遙かに合理的に思えるし、この方法が確かなことだということが次第に理解できるようになる。この峠を越えると、後は楽である。あらゆる事が納得解決できる。目の前の日常の困難というものは、さほど気にしなくてもよいようになる。なぜなら一番大切なものごとの道理そのものが、直接理解出来るからである。
その結論は非常に常識的なことであり、実はめずらしくも何ともない結論である。そして多くの混乱のさなかにある今までの指針や人生訓は、殆ど重要でなくなる。要らなくなるのである。無くても十分に有り余る精神の安定や安心、そのときに必要な直感が得られる。この世で争うこと自体が、バカバカしくなるのは間違いない。この愚かさがこの直感で理解できたとき、その時点で私達はステップを確実に一段上げたことになる。これは誰しも確かめることがいつでも出来る。勇気を持ってその気になりさえすれば。
人類や民族の起源を探るとき、今でも進化論は重要な足がかりとされている。世の学校の先生達はこれを起点にしてしか教えることが出来ない。決められたことしか話せないし、疑うことを知らないからであろう。それ以前に先生達自身も情報不足である。本当の起源を知ると、この進化論は滑稽に見えるようになる。
ところで日本人は一体どこから来たのだろうか？ これまた不思議である。とても進化論など信じてはおれない。日本人の起源はいずこからか？ 僅か三千年前が全く分からない。縄文土器などが出ているが、それくらいしか分かっていない。近々の歴史、特に紀元前後頃からの地球の歴史も不明確で、本当のところは分からない。沢山の研究論文や議論が出ているが、一体何が本当かはさっぱり予想もつかない。百家争鳴の感である。文献と遺物、遺跡主義にとらわれているからでもある。世は自由にものがいえるのはすばらしいことであるが、逆に大変に不便でもある。これが学問の自由であろうか。何が本当かは判別もつかない。また自由な研究であるはずなのに、逆に本当は学閥、縄張り、大先生、などの影響で、自由な研究が全くなされていない雰囲気も濃厚である。
ところで日本人は世界から見て、どうやら変わり種のようである。例えば文化の変化に対する対応力がある。また世界中の民族から嫌われない。またさっさと自分たちのことは、周りに迷惑をかけずに自力で何でも出来る。過ごしやすい生活環境を自分で直ぐに整えることが出来る。もの静か、清潔、自立性が高い、謙虚で出しゃばらない。後進国には惜しげもない援助をする。アイディアを出すのも、他民族に負けない。特許の出願は最も日本人が多い（少し減ったか）。このほか、きりがないくらいに褒め言葉が多いのである。これを全く理解できない人達の一部で陰口をたたかれもするが。
江戸時代にも、西洋からの旅行者が我々日本人の生活ぶりをみて、皆その清潔さ、律儀さ、教育の高さ、物静かさ、など文化の高レベルに驚嘆している。旅行の途中でみた多くの他民族達とは全く異なり、日本人は特異な人種と見えたようである。
この特徴の原因は何だろうか？ もし日本人の出生の秘密が判るなら、直ぐに解けるかも知れない。これは本当の民族の生い立ちである。同様に他の民族も同じ生い立ちがあるはずである。互いに私達はその真相を知らない。知るべきなのに全くお手上げの情態である。勿論、進化論などで解けるわけがないし、この理屈ではカスリもしないのである。
私達はいま宇宙時代の入り口にいる。これがポイントの一つと思われる。そしてもう一つのポイントは転生のカラクリである。これを組み合わせると日本人の謎、地球全体の民族の謎も解けるかもしれない。
私達は他の惑星人との交流は、全く今まで考えたことはない。やったこともないと思われる。ＳＦ小説では語られているが、それだけのことである。同時に私達は自分の転生のことをよく知らない。この両者を組み合わせると、あるいは私達がこれを知るようになると、私達の民族ルーツはそれほど難しいことではないと思われる。日本人のそれも自ずとはっきりするだろう。
元々は私達のそれぞれの民族は意味無くして発生したのではない。地球だけの人類、民族の発生とすると、かの奇妙な進化論に頼るしかない。しかし実は全く別のルートがあり、人類は宇宙的であるということのようである。それぞれの民族はすでに混血もしているが、基本的にはそれぞれの惑星の生い立ちが、違うというもののようである。私達はある種の都合があって、かつて遠い昔に地球人はそれぞれ多の惑星から移住している（宇宙船で）と考えると、いままで疑問になっている相当な部分が納得いく。
ともかく私達は進化論からまず、抜け出す必要がある。相当にこの思想に毒されているので、一旦この毒を抜いてしまう必要がある。その後に冷静に考えると、私達地球での民族の違いに、次第にその理由が理解できるようになる。すぐには無理があるかもしれないが。相当時間がかかっても、これが常識レベルになると、説得力は今までとは全く異なる。私達は残念ながら、今までは他の惑星を踏まえて、物事を考えることが全く出来なかった。地球内だけに限っていたのである。しかし現在では少しこれが出来るようになった時代である。つまりおとぎ話ではなくなりつつあるということ。
ただしこの情報は素直に受け取る必要がある。身の回りを身綺麗にして、素直な気持ちになってから、地球のこと、宇宙のこと、自分のこと、周りのこと、あらゆる生き物のことを感じると、地球そのものもそうであるように、他の惑星は私達のふるさとであり、生まれ故郷ということが何の抵抗もなく、感じることが出来るだろう。つまり複合的に考える方法がどうして必要のようである。
私達は一時的に地球にいると思うのである。そして地球の特定の場所に生まれ、その振動に合う生命体（魂）として引き合って集まっている（類は転生を通じて集まる）。それは民族でもあるし、集落でもある。長年、同じ雰囲気でそれぞれの民族が生きていくのはその理由による。多少の入れ替わり変動はあるが、基本な民族はそれほど変化しない訳である。実際には転生を介した複合要因と思われる。もちろん地上での言い伝えや、教え込みもあるが。
ある時、突然ある集団が他の惑星から地球へたどり着く。これは勿論、宇宙船を用いて来る。しかも民族ごとバラバラで。これは大昔にそのキッカケあったようである。その後私達は出身惑星との連絡を、しばらくはとっていたようであるが、いつしか連絡が途絶えた。がそのうちに大きな天変地異（途方もない破格の大洪水を伴った）が複数回起きた。これが昔を忘れ去った一つの大きな原因である。これは地上のどの地域も同様の経験を経たようである。その後長い時間をかけ地球では生活を再生したが、その文明の中で、自分たちは地球でのみ生まれたと思い込んでしまったようである。この理由は私達それぞれの地球人だけで生活が楽しかったのか、あるいは母惑星のことを無視したのか、思い出すことが次第になくなり、自分たちの正体を忘れたようである。知っていた時代はこのようにして過ぎさり、ついに、なかったことになる例である。これが都合がよい人も大勢いただろう。過去の清算として。
私達がこの宇宙船移動をすっかり忘れた、二つ目の大きな原因として、地球で得手勝手がなされ、思想、生活態度に修正がなされなかったことによる。要するに周りの惑星も、母惑星も私達地球人に愛想を尽かしたのである。これが私達の現在の姿である。私達は古代の人類歴史を遺物や遺跡で長い間考古学などで研究、推測をしてきたが、そろそろ地球人類起源の根本に気付く必要があると思われる。そうしないと研究は長年空回りを続け、徒労の多い結果だけが残ることになる。今のように進化論を基本にしては何一つ解決しない。これは日本人も例外でない。そのまま当てはまる。このように見ると時代とともに、私達の民度が低下したという意味も十分に判るし、今の生活態度の理解がよくできる。時代とともに精神が発達したのではない。今は物質的には一部復活し進歩したが、精神的には進歩どころか大幅に堕落し、低下したのである。この考えで地球を見ると、私達地球人の全てがよく理解できる。だれしも思い当たる節がたくさんある（やたら）。その通りだと相槌を打つ人達も多いと思われる。当然日本人もこの例外ではない。精神的、民度的には、はっきりいって退化したのである。退化すると、転生しても自分の過去の正体を、地球に生きている間、全く思い出せなくなる（今の私達のように）。そして各人の正体がここでプッツンする（同時に過去世の記憶も思い出せないレべル）。このように私達は自分の正体が転生を含めても判らないまま、お互いが闇雲で、迷ったままの生活となっているのである。
ではその昔、宇宙船はあったのか？ 私達が今知っている地球の歴史はわずか数千年前、しかも中身は曖昧で大洪水の影響もあってわずかな記録しか今は残っていない。日本にいたっては、わずか二千年数百前ですでにはっきりしない（日本でも強引な歴史隠滅は多くなされてきた）。それ以前となると推測の域である。他の惑星同士は、これよりはるか以前から惑星間の交流を行っており、歴史の記録はきっちり行われており、このレベルが地球とは大きく異なる。私達は自惑星の歴史もわからない状態（井の中の蛙）で惑星間交流を知るよしもなかった。要するに地球以外の近隣惑星同士では、宇宙船での交流は以前から常識であったのである。地球では前記のようにその後彼らと断絶してしまったが、今は地球では自分なりの技術で、ロケット式宇宙船（時代遅れの）にこだわった状態で、真の惑星間交流が出来ず断絶したま
この事情を私達自身が受け入れるには、政府側の情報公開阻止と、私達自身のこだわり、とプライドが大きな問題となる。こだわり、プライドをもたず、さばけた人々は、すぐこのことを理解できると思われる。そのような雰囲気を持った地球人がいるのは、間違いないのであるから。数は少ないのであるが、このことを生まれながらに知っている人がいる。目立たないが確実に少数者がいるのである。何も言わない。だから知らないのではない。昔からそうなので、説明もあえて彼らはしない。そのまま地球で死に、他の惑星に何事も無かったように転生していく。
この私達地球民族の起源を、そろそろ感づいている人が、今後少し増えてくると思われる。他の惑星に大勢の先輩達が昔から居ることや、地球で生きる意味と同時に、転生を明確に理解するというようになるだろう。この転生のカラクリも説明はまだ理解がしづらいが、いずれ民族の起源（日本人を含めて）と私達の生まれ素性、故郷を、同時に理解できるようになると思われる。また私達の起源と同時に、私達の本質が、すんなりと判るようになるということ。
これがとっておきの解決法である。今までのように、大げさで当てずっぽうの推論（進化論などを含む）は全く要らなくなる。また進化論を裏付けようとした大切な北京原人の骨（ミッシングリンク）もスッカリ要らなくなる。これらのベールがとれると、私達は地球という惑星が、どのようなものかをよく宇宙レベルで深く知ることができ、同時に自分の真の人間生活の方法を、具体的に自分で知るようになる。またこの時点で他の惑星の人々は、初めて私達地球人との交流がし易くなるだろう。